木村暢『機動戦士ガンダム00(1) ソレスタルビーイング』

ガンダム00』公式ノベライズ第一巻。

感想

 第一巻は一クールの#01〜#08、#12、#13を中心にまとめられている。軌道エレベーターの設定や、「GN粒子が効いてる時ってガンダム同士でどうやって通信してるの?」等等の設定考証はもちろんの事、各キャラクターの心情も描写されているので、本編の理解の一助となる一冊。
 今巻では描かれる事が無かったガンダム鹵獲作戦は第二巻でのメインとなるらしい。と言う事は、ナドレ登場から、三大国合同演習まですっ飛ぶのだろうか?
 以下ネタバレ感想。

刹那とマリナ

 今巻の一つの見所はこの二人。
 後に、マリナを一つの大きな同士、とも言えるメッセージを送った刹那が、マリナをどう認識したのか。その意識の流れが明かされる。
 マリナは刹那から見れば、血の流れない戦場で、同じ目的のために戦う人間、と言う事のようだ。

爆笑!コーラサワー!!

 ノベライズにおいても、この男の魅力が尽きる事は無い! アニメ、コミック、そしてノベライズ。あらゆるジャンルでその才能がキラリと光る、それがこの男、パトリック・コーラサワーだ!

キャラクター紹介

 そもコーラサワーの魅力は、登場キャラクター紹介の時点で臨界を超え溢れきっている。

AEUのエースパイロットで時期主力MSイナクトを駆る。ハンサムで実力もあるが……。

あるが……。」(笑)。
 その後に何が続くか、それは読者が決める事だが、こんな所でいきなりお茶を濁らされるコーラサワーってwwww

スペシャルな地の文

 読んでて爆笑。ちなみに、第一巻におけるコーラサワーの出番は、ここだけ(笑)。

イナクトの性能証明もあるが、ちょっと見かっこいい目の前のモビルスーツがムカつく。だから倒す、スペシャルな感じで

「ちょっと見かっこいい目の前のモビルスーツ」とはもちろんエクシアの事。つか、スペシャルな感じってどんな感じだw

何でそんなスペシャルな武器をっ!

 ビームサーベルに対する驚き。この当時はまだビームサーベルが技術的な問題から実用化されていない事に由来する。この驚きは至極正しいものだが、ちょっとはスペシャルから離れろwww
 これに限らず、グラハムや、ビリーまでも何故か面白いので(ヲイ)一読の価値有り。

始まりのその裏で

 刹那がクルジスでOガンダムに助けられ、その後の生き方を決めたように、刹那に神の如く見られ、その後の生き方を決めた人物がいた。それは、0ガンダムガンダムマイスター

  • 世界と繋がっている。
  • 人類のために人間を模倣して作られ、その存在理由に嫌悪している。
  • 最強の矛=ガンダム。最強の盾=ヴェーダとすでに認知している。

 これらの描写から、まず間違いなくガンダムマイスターリボンズ、と言う事になる。自分そのものに嫌悪していたリボンズが、刹那がガンダムリボンズを神のように信仰していると解釈し、自分を「より高い次元にいる優良種」と強く自覚を持つ。そして新しい世界を構築する、と言う野望が生まれたようだ。
 刹那がガンダムに助けられたのも、実はリボンズの単なる気まぐれであり、本来は刹那を含むすべての目撃者は抹殺の対象だった。
 高みにあるガンダムそのものが、ガンダムで世界の歪みを破壊する刹那の敵となる。刹那はヴェーダに選ばれていないような描写も合ったので、最初からリボンズのような人間を相手にする事を想定されて選ばれた人間だったのかも……と第二期に対して想像させる。