椎名高志『絶対可憐チルドレン(12)』
- 作者: 椎名高志
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2008/03/18
- メディア: コミック
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第一二巻には「黒い幽霊(5)(6)」「ビー・マイ・フレンド」「ランチをめぐる冒険」を収録。
以下感想。
「黒い幽霊」
ノーマルの黒い意思の象徴とも言える黒い幽霊の洗脳。それから殺すのではなく、解放する能力を得たチルドレン。それは、ブースト機能を利用した、薫の新たな合成能力でもある。
エスパーを守り、束ねる女王として、薫の能力が目覚めたエピソード。そしてそこには常に、皆本と言うノーマルが関わっていた、と言う皮肉が兵部の口から語られる。
十年後の最悪の未来を回避しようと皆本があがけばあがくほど、その未来は早くやってくる、と言う事を示唆されたエピソード。
「ビー・マイ・フレンド」
薫、葵、紫穂三人の絆の強さが描かれたエピソード。ついでにこのエピソードで皆本は約一〇〇億円の負債を負い、一生政府の飼い犬になる事に(笑)。
薫の女王としてのブースト機能は、ブースターを使えばすべてのエスパーとの連携が可能となる可能性を持つ脅威の能力。それを狙って、黒い幽霊が新たな刺客を送り込む。
オモチャと遊ぶ事しかできない孤独な少年、ティム・トイを通じ、薫と皆本達の絆が強調されて描かれる。
まぁやはりそこには「女の友情ってビミョー」的なアレがそこらかしこに見られるのだけれども。
「ランチをめぐる冒険」
普通の生活とは無縁だったチルドレンが遠足へ。遠足の楽しみの一つと言えば、お弁当――と言う事で、皆本謹製のランチを巡って色々騒動する話。
近頃女の子らしくなった薫と、平均的男子の東野が一緒になったら? そんな仮定で紫穂の口から語られる、ありえないけど妙に説得力のある話が怖いっ!
今回はチルドレンよりも、暴走してエスパーとしての能力を遺憾なく発揮するちさとがある意味でメインなのかもしれない(笑)。かの斧テンパり具合は一見の価値アリ。
増補版さぷりめんと
椎名先生の本領発揮とも言える四コマギャグ。本編よりもコンパクトに圧縮されたギャグは、違う意味で本編をしのぐ。
皆本の鍛え抜かれた腹筋の理由、兵部と蕾見管理官の出会い、やっぱり扱い悪い真木など、見何処は満載。