第10話「剣の舞・ガラスのメロディ」

 一九八六年。
 音也はゆりからブラックスターを首尾よく手に入れる。しかし、そこに大村が現れる。
 二〇〇八年。
 渡はイクサからフロッグファンガイアを逃がす。渡は大村から、かつて彼が音也の音楽に救われた事を知るが……。



 ついに名護の本性が、渡にも明らかに。しかし渡は嫌うどころか、それでも自分の言いたい事を名護に言うと、以外に胆の据わったところを見せる。……違う意味で空気読めないと言うか、何だか子どもみたいに人の善性めいたものを信じているだけなのだろうが。
 以下感想。

やはりそうだった

 次狼の正体がモンスターだと音也がゆりに言っても信じてもらえなさそうだと思ったら、ほんとに信じてもらえないでやんの。まぁ、当たり前と言えば当たり前なのだが。
 次狼相手に音也が静かに火花を散らす姿は、本当に格好いいのだが、それをゆりが知る事は一度あるか二度あるか……。

音也の音楽

 枯れている花を再び咲かせる、もはや超能力めいた音也の音楽だが、その才能は大村のファンガイアとしての業から救い出す事にも成功していた。
 まばゆいばかりの才能だが、それは結局、完全にファンガイアの業から大村を救い出す事はできなかった。その結末は、現在の天涯孤独な渡の状況に繋がっているようで意味深だ。

名護の本質

「俺は正しい」「お前は俺に従っていればいいんだ!」「もう顔も見たくない」
 お、お前は子どもかwwwww
 今日びこんな馬鹿言ってる子どもも、逆に少ないのではないだろうか。
 俺は正しいと盲目的に思い込み、他人を自分の下に組みこんでプライドを保ち、少しでも他人が意にそぐわなければもう二度と交流しようとしない。
 この男、どうしてファンガイアまで狩り出したのかと思ったら、神様を気取りたいだけなのではないだろうか。
「神にその命、返しなさい」と言うが、ようするに神=名護と言うわけだ。神様を盾に、気取りたいだけなのかも知れないが。判りやすい「人類の天敵」と言うレッテルが貼られているので、ファンガイアは名護にとって絶好の獲物だ。
 そんな傲慢かつ卑小な本質が渡の前にも明らかになったが、渡本人はなお名護を信じようとしている。もはやこれはこれで、救いようの無い馬鹿だと言える。

理性のキバ

 本能で戦うキバだが、最近は渡の意思が勝っているように見える。だが自分自身の意思で戦った結末は、初めて師と仰いだ人物との戦いだった。人間を襲わない、優しい心を持ったファンガイアだっているんじゃないのか? と言う疑問は、自分自身でトドメをさせなかった(ささなかった)と言う渡の弱さをさらに露呈させただけだった。
 本能にも従えない、かと言って理性で戦っても弱い――そんなキバが、これからどうやって戦いに参戦して行くのだろうか。

次回は

 ついに始まるキバ対イクサ! いきなりバイク対決?