椎名高志『絶対可憐チルドレン(8)』

絶対可憐チルドレン (8) (少年サンデーコミックス)

絶対可憐チルドレン (8) (少年サンデーコミックス)

「あにをう」その八。って、略したはいいけど何の事だか分からなくね?
 第八巻は前巻の続きである「パンドラからの挑戦状」「逃亡者」「ギフト・オブ・チルドレン(1)(2)」を収録。
 今回の三エピソードは、全部つながっていて、三つ合わせて一つのエピソードとなっているのが特徴。
 以下感想。

「パンドラからの挑戦状」

 放送ジャックを繰り返す犯罪エスパーの二人組、ひいてはその裏にいるパンドラ達と薫達は「違うエスパー」であると強調される。

「逃亡者」

 旧日本軍が作り出したエスパーモモンガの(とっとこ)桃太郎を巡って、皆本とチルドレンの間に、改めてノーマルとエスパーの違い、と言うものが浮き彫りに。
 人間に恨みを持ち、強力な能力を持つ桃太郎を野放しにはしておけない。しかしすでに人を傷つけてしまった桃太郎は処分しなければならない。
 強力な力を持つために疎まれていた過去の自分達と桃太郎を重ねる三人。だがそんな三人に、

大丈夫。もうなんの心配もいらない。

と言ったのは皆本ではなく兵部だった。エスパーの心を受け止められるのはエスパーだけなのか? と苦しい葛藤を見せたエピソード。
 しっかしこのエピソード最大のインパクトは、兵部ではなく「鋼の錬筋術師」マッスル・大鎌の登場に他ならない!
 マジョリティのノーマル、マイノリティのエスパーと言うカテゴライズの中で、さらに両者どちらから見てもマイノリティであると岩ら図を得ない、ようするにオカマキャラ。小学生の時の、石を投げられているマッスルの姿は、もはやある意味で自業自得だwwwww
 行動も言動もぶっ飛んでいて、

「おはようからお休みまで、兵部少佐と共に生きること希望ッ!!」
「ビィィィ―――――ッグ、マグナァァア―――――ム!!」
「なぜアタシの身体はオトコなの―――ッ!!?」

と、迷言多数(笑)。

「ギフト・オブ・チルドレン」

 前回の一件で、薫と微妙に顔を合わせづらい皆本。皆本とチルドレン、さらに普通の人々とつながりを持つ反エスパー思想を父に持ちながら、自らはエスパー能力に目覚め始めようとしている少年のエピソード。
 持っている能力=個性をノーマル達大人が認めていく事が出来るかどうか? が一つのみどころか。

単行本書き下ろしおまけ

 皆本とチルドレンの立場が少年エスパー皆本と、美人指揮官となったチルドレンと逆転。少年皆本が半ズボンなのはデフォルトなんだなぁ……と、妙に醒めた視線で少年皆本の膝小僧を眺めていた。グッジョブ!