椎名高志『絶対可憐チルドレン(6)』
- 作者: 椎名高志
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2006/09/15
- メディア: コミック
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以下感想。
第六巻には前巻からの続きである「パンドラの使者」「荒野のエスパー」「浅き夢見し」「いつか王子様が(1)(2)」を収録。
今巻から、兵部の元同僚、蕾見管理官が登場。
「パンドラの使者」
続きものであるこのエピソードでは、能力が暴走し、「この世に自分の居場所なんかない」と言う澪(の分身)に、薫の鉄拳制裁(?)が炸裂する。
欲しいもんがあるなら、自分で作ればいいだろ!?
そんだけの力があるのに何言ってんだ!!
あたしたちエスパーは、何にでもなれるしどこにでも行けるんだ!!
と、皆本から薫達三人にかけられた言葉をそのまま澪に言って澪を助ける。この時、薫の女王としてのエスパーを守る能力も発動。皆本達や葵、紫穂から見れば正道に進んでいると確信できるシーンだが、パンドラの澪に実力を認めさせる、新たな能力を発揮しているなど、戦うほどにパンドラの女王に近づいていく、と言う証左でもあるシーン。
「荒野のエスパー」
「パンドラの使者」の対となるエピソード。内容は、兵部がテロ組織相手にやりたい放題!
「自爆テロで何人死のうが殺そうが知ったこっちゃないが、自分の気分を害したのは許さない!」
とおそろしく大人気ないテロ組織を丸々壊滅に追い込んでしまう。
「憎しみで人を殺せる」とうそぶく兵部。彼の、
気が向いたら僕はどこにでも行くし、やりたいことはなんでもやるだけさ。
と言う言葉は、前述の薫の言葉とほぼ同様。その「なんでもできる力」の使い方、と言う点で、しかし絶望的にベクトルが違う事を。しかしその根底は同じものであると言う事を思い知らせるエピソード。転じて、皆本とも同じ事を言っている……と言う点で、皆本と兵部二人のチルドレンを育成しているのが皆本一人ではない、と改めて思い知らせている。
「浅き夢見し」
やりたい放題の兵部に対抗できる唯一のキャラクターとも言える蕾見管理官が登場。
皆本、チルドレン、ナオミと男からも女からも関係なく生命力を吸い取って若さに変える恐ろしい女(笑)。
彼女の目的は皆本にチルドレンを女性として意識させる事。よーするに「デキちゃえ!」という理屈で、最初はチルドレンをけしかけるものの、そのあまりの「ガキっぷり」に断念。今度は皆本の意識改革を促す事に。
「いつか王子様が」
そんなわけで、皆本に対する意識改造手術が行われる。
手足を改造手術風に縛り上げられ、「バベルはショッカーかああっ!?」とか叫んでる皆本が哀しい。
催眠能力を持つ末摘の能力で、成長した十年後のチルドレンの姿と性格を体験する事で、皆本にクラクラ、とこさせる作戦。これに本人じゃないとは分かっていてもクラクラくる皆本w
しょうがないと慰めるべきか、「こいつもただの男か……」的に嘆息しておくべきかw
皆本に成長した姿を見せると同時に、チルドレンの十年後の姿をチルドレン自身に見せ評価させているのが面白ポイント。そのもっともだけど本人がそれを言うか!? と言う評価は……。次巻のお楽しみ(笑)。
単行本書下ろしでは、蕾見管理官によるベーゼ特訓www
そしてコレミツの十歳の時の写真が登場! その絶対可憐チャイルドっぷりを、是非。