#23「世界を止めて」
トランザムシステムをイオリア・シュヘンベルグから託されたガンダムマイスター達を国連軍が襲撃する。トランザムを駆使して戦うマイスター達。だが国連軍の中にはロックオンの家族の命を奪ったテロリスト、サーシェス駆るスローネツヴァイの姿があった。
「こんな世界で満足か?」
「俺はヤだね」
ロックオンが最後の最後で狙い撃った「世界」に……一緒に観ていた弟とただただポカンとするしかなかった……。
ロックオン、早すぎるよロックオン(涙)!
以下感想。
そもそも、ソレスタルビーイングとは何なのか?
ガンダムマイスターとして刹那が自ら戦う意味を問う前に、その存在そのものの意味が問われる。
ラッセの考えは、存在する事。人間は結局、自分が経験した事でしか物事を理解する事は出来ない。ならばそこに、紛争根絶を掲げ、強力な力を持って存在するものがあったとすれば。暴力を持って暴力を制する、そんな考えから始まった行動の結果に何が待っているのか? それを経験したとすれば、人類はその意味を理解して、新たなステップへ進めるのではないか?
そんな意味合いが、イオリアの理想にはあったのかも知れない。またそれは、同時に刹那の存在理由そのものである。
ガンダムが紛争根絶と言う目的の結果、他者を暴力で圧倒した。しかしそこに、生きていた子どもがいたら。その子どもが、ガンダムマイスターとして世界を変える事ができたとすれば。
それは確かに、新しい世界を作る事ができた。そう言えるのかも知れない。刹那がイオリアから託され、その力を発揮する意味は、きっとそこにあるはずなのだ。
しかし、他者で暴力で圧倒する結果、得られたものが同じだとしても、そこに思想があるのか無いのかは、観ている視聴者としては大きな差がある。
そのアイコンとも言えるのが、ロックオン・ストラトスとアリー・アル・サーシェスだ。
ロックオンは自らの罪を認めながらも、世界を変えるために人を殺す。
対してサーシェスは、自らの戦争中毒症を満たすためだけに戦う。
ロックオンを「同じ穴の狢」と嗤い、奔放にファングを飛ばしまわるサーシェスには、人の命を奪う重みなど何だのさっぱり感じられない。
デュナメスを降り、ガンダムマイスターとしてではなくたった一人の人間として仇敵を狙い撃ったロックオン。変えられないと判っていた。しかし、こんな世界が嫌だから……。ロックオンが天上から狙い撃った「地球=世界」は、しかし何も変わらない。
その望みは、刹那に、そして何よりティエリア、フェルト達に託された。
特にティエリア、フェルトの二人は、ロックオンに対して抱いていた「思い・想い」の分だけ辛いよナァ。
「世界を止めて」と言うだけあって、ロックオン以外にも命がピンチだったキャラクターがいっぱい!
セルゲイ、ソーマ、カティ大佐……。時間制限付きとは言え、通常の三倍(シャ、シャア!?)のガンダムに加え、GNアームズ……。特にアレルヤなんか、ハレルヤの力で脳量子波を防ぐ事ができると言うアレな事実が改めて登場! そう言えばハレルヤは平気そうだったけれど……。今までのアレルヤの苦しみはどこに!?
ヴァーチェはヴァーチェでダブルランチャー……ヴァーチェはハイリターンであるものの、あの威力の砲が三倍とは反則過ぎる。
圧倒的パワーアップを果たしたものの、しかしだからこそロックオンの不在がこたえる。三人になったマイスターズ。まとめ役だったロックオンを喪い、これからどうまとめっていくのがに注目したい。
今週のコーラサワーもノリノリ。と言うかセリフが、「しゃらくせえ!」と「大佐!」しかなかった気もする……wwwww
ガンダムにも相手をされずにデブリに激突。いやもう……もはやロックオンの死と違う意味で言葉が出ない。しかしカティ大佐共々、生き残っていてくれてとてもありがたいキャラクターではあるのだ。ああ、本当によかったー……。