『灼眼のシャナII』第21話「合わさる力」
強大な紅世の王サブラクの猛襲に防戦一方だったヴィルヘルミナらフレイムヘイズ。だが悠二は無敵のようにも見えるサブラクの力の秘密を解き明かし、さらにそれを打ち破る作戦を立案する。
シャナ達フレイムヘイズ、ミステスである悠二、人間である吉田や佐藤。すべての力を合わせ、サブラクへの反撃が始まった。
クオリティの高かった前回以上に密度が濃かった今回のエピソード。二五分間、アクションと知略の交錯とサブラク討滅のカタルシスに視聴終了時には完全燃焼。いや、ほんと凄かった。これが米たにヨシモト氏の力か……!
強烈なインパクトを残して討滅されてしまったサブラク。恐怖の殺し屋としての側面が強いが、実は教授に剣をドリルに改造されて以来仲が悪いとかそんなけっこうかわいらしいところもあったりなかったりとか(公式HPの用語集参考)。
以下、感想。
前回、「反則」「化物」としか言いようが無い能力を見せたサブラクの能力が悠二によってついに白日の下にさらされる。
- サブラクは巨大な紅世の王で、街全体と一つになっていた→悠二の感じた違和感の正体はコレだった。
- 目の前の敵としか戦えない→人型のものが脳に当たる本体だから。
- 奇襲は一度きり→体に当たる部分では相手を捉える事ができないから。
- サブラクは無敵→やられても体にあたる部分が回復していた。
と、謎が明かされてみると、サブラクが持つ自在式が相手に持久戦を避ける事を強いる理由もすっきりと解明。「不意打ち」ではなく、実際には「待ち伏せ」に近いものがある力なので、いつまでも相手に同じ場所にいられると自分の能力がバレる恐れがある。
よって不意打ちの後は速攻で相手を倒せるような自在式を構築しているのだろう。結局、そうでない相手は逃げるのに必死になって、能力の謎には思い至らない。
自分の能力とフレイムヘイズの不利を見切った憎たらしい戦術だ。
そんなサブラクに、ヨーハンから始まって吉田さん達まで加わった反撃スタート!
スティグマを無効化する自在式。そしてサブラクの体と脳を切り離した上で本体を叩くと言う悠二の作戦。マージョリーがそのための自在式を構築し、マージョリー、ヴィルヘルミナへの誘導を佐藤と吉田さんが担当する。
そして力を温存しておいたシャナが最後の止めを指す! 釘宮理恵さんの叫びの演技がえらく気合入っていて、こちらも思わず背筋が伸びた。
サブラクへ攻撃へと転じるシーンでの第一期OP『JOINT』が流れた時点でその上鳥肌まで! もうどっからどこまで文句をつける事のない、濃密なアクションシーンで大満足だった。
キャラクターの動きもそれぞれが答えを出し、それぞれの心情、と言う点でも満足できた回でもある。
悠二は「街を守るために戦っている!」と主張し、まさに「腹で覚悟を決めた」男の顔。その姿には、アラストールも吃驚だ。シャナも思わず誘いたがるほど。吉田さんも悠二の変化にもしっかり気がついている。
佐藤は、マージョリーに対して「貴女を生かす事だけ考える!」と宣言してしまった。こやつも漢よのう(誰だお前は)。
最後はしっかりシャナの「うるさいうるさいうるさい!」で〆て、何だか久しぶりで逆に新鮮なツンデレだった。
そして次回は、いよいよクリスマスイヴ! まさに運命の分かれ道から、ラスト三作スタート!