第17話「悪魔のアンサンブル!」

 烏川は部下の夏樹を使い、ミキの秘密を探るため、恋人だった男・根本真幸を誘拐する。彼を利用し、ミキをおびき寄せようとする烏川の下に、ミキばかりかハニー、そしてユキまで現れる。




 恋心……と言うよりは、もっと広く「他人を想う心」の様々な形を持つキャラクターを描き、濃いドラマを展開していた今週のエピソード。




 ハニーはギザに無邪気な恋心を向け、脳内お花畑(笑)。ザギに会いたいがために、パンサークロー狩りにまで出かける始末。おいおいと呆れるところだけれども、しっかりパンサークローと出くわすのは作劇の都合か、はたまた彼女の本能か。
 余談ながら、ハニーの妄想の中のザギの演技は秀逸の一言。「冷酷非道の悪魔」と言うキャラクターはそのまま、しっかりハニーとラブラブ。あの気持ち悪い笑顔と口調のままでラブラブ(二回目)。まさに村上幸平氏の演技力の勝利。
 しかしそんな明るいハニーの恋とは対照的に、他のキャラクターは暗い恋の道を突き進む。
 烏川のミキへの歪んだ愛情は、かつての恋人・根元誘拐と言う形で現れる。彼への拘束と拷問がそのまま、烏川の執着と、「ミキが誰かを殺害する現場を見てしまった」と言う根元のトラウマを同時に表現していて面白い。
 烏川に必要とされたいがため、ユキの攻撃から身を投げ出して彼女を守った夏樹。
 そのユキは、ハニーシステムが自分以外にも搭載されている事を知ってコワレ気味。父親の娘は自分一人だけ。ハニーシステムはその愛情の形そのもの。
 だったら他のハニーシステムは排除する、と冷酷にミキを攻撃するユキ。
 しかし、そこに現れたハニーによって状況は一変。ついにハニーシステムを持つ三人がその場に揃ってしまう。ユキはハニーもシステムを持ってると知れば攻撃できないだろうし、ミキはシステムの欠陥からそれほど長くない体。ハニーは完成形のようだが、暴走の危険性も残っている。
 誰が残っても不安になる要素は満載。
 そのままで、次回は三人が共闘。一体どうなるか先が見えないところに引きこまれる。
 ストーリー的にも、ミキが死亡してハニーに取り込まれて、ユキがシスタージルになってラスボス化、なんて妄想。ミキの武器はまるまるハニーブーメランだし、ユキは何となくジルだし(ヲイ)。
 ミキや夏樹のように、他人を愛した時、結果的に命を落とす事にもなる。それを糧に、ハニーがお馴染みの「愛の戦士〜」的名乗りにつなっていきそうだ。

  


 今週は監督に雨宮慶太氏を迎えていたせいか、アクションが特に凝っていたような印象を受けた。
 烏川、夏樹、ミキらのアクションは鳥肌者。CG云々もあるが、それ以前によくあれだけ動ける人を連れてきたなぁと感心するばかり。
 謎の白骨死体の登場、と言う何ともアレな引きで今週は終了。次回は前述の通り、ハニー達がついに本格的に共闘!