第18話「聞かせてもらうぞこの世界の謎を」

 ニアは反螺旋族アンチスパイラルのメッセンジャーを名乗り、人類殲滅プログラムの起動を宣言する。一方、ロシウはロージェノムを生体コンピュータとして再起動し、この世界の謎を聞き出すのだった。




 今回のエピソードでは、作品すべての貫く世界の謎が明らかに。
 生体コンピュータとして再生したロージェノムの口から「螺旋の力」「アンチスパイラル」そして「地下に人類を押し込めた理由」が明らかになっていく。




 DNAや銀河のように、宇宙の螺旋を持つ生物は無限に進化していく力を持っている。それが螺旋の力、スパイラルネメシス。
 しかしそれがやがて宇宙を滅ぼすと危惧を抱いた一部が、反螺旋族アンチスパイラルを名乗り螺旋の生物達=螺旋族を押さえ込み始めた。ロージェノムを初めとする螺旋族はこれに対抗し、戦いを挑むも敗北、母星に敗走した。
 アンチスパイラルは螺旋族を監視し、基準を超えた時これを滅ぼすため、監視システムを設置。これに対し、ロージェノムは種としての人類を守るため、地下に人間を押し込める。
 人間の、どこまでも進化していく力は当然、地下から脱出しようとする。これを防ぐため、恐怖を持って人類を抑止するために獣人とガンメンによる虐殺を行っていた。
 しかしカミナ、シモンを筆頭とする人間はそれをも跳ね返し、螺旋の力の象徴であるコアドリルと、対アンチスパイラル用の最強兵器の一つだったラガンと共に千年間力を抑えていたロージェノムを目覚めさせ、さらに倒してしまった。
 ロージェノムを倒し、急速に進化を遂げた人類を滅ぼすため、アンチスパイラルのメッセンジャーである仮想生命であったニアが目覚めた。




 第一感想が「夢枕獏っぽいなー」と言う頭悪いものであるのを許して下さい。
 どこまでもどこまでも螺旋状に進化していく、と言う表現は、これまでのシモンのエネルギーの奔流が明らかにしていた事。どこまでも自分を(欲望を)信じれば、何も出来ない事は無い、と言うまさに何でもありのその力。
 野暮な事を言うと、宇宙は「どれだけ効率よくエネルギーを消費していくか」この一点にすべては集約されるらしいですが……。まぁ、そんな事はどうでもいいのです。




 果てしない進化の道を歩んでいたシモン達、そして平和な生活を享受してきた市民達。
 しかし時は流れ、ならず者集団だった大グレン団ではもういられない。ギミー、ダリーからは古い人種呼ばわりされ、市民達からはかつてのロージェノムのように批難の対象となる。
 たった一人で敵にぶつかっていけばよかった頃とは違い、戦って敵を倒すのではなく、人々を導くため、分かり易くケジメをつけなければならない。
 その決断を行うのは、シモンでは無くロシウ。
 為政者として、シモンを逮捕する事を決めたロシウ。しかしそれはロージェノムのやった事と変わらず、実はロージェノム化しいているのはシモンでは無くロシウ。
 決断すると言う重みを背負い、ロシウは果たして何処へ行く?