第2話「四谷怪談 二の幕」

 出産祝いの礼に出向いた右衛門は、その席で伊藤家の孫娘・お梅との縁談話を持ちかけられる。右衛門はその縁談を受け、お岩を見限るばかりか、按摩をしている宅悦にお岩に不貞を働かせるように唆す……。




 前回生れた二つの歪な夫婦の一つ、右衛門とお岩の物語が悲惨無情の顛末を迎えます。
 以下感想。




 大量の金子に目がくらみ、あっさりとお岩を捨ててお梅に鞍替えする右衛門。あまつさえ、按摩をしている宅悦がお岩に思いを寄せている事を見抜いて、不貞を働かせるように仕組み、殺しても構わんとまで言い放つ。
 その頃お岩は、お梅が持ってきた毒のせいで命は助かるまでも、顔が崩れると言う絶句するしかない状態に。
「子どもが不憫だ」「後妻を迎えないでくれ」と言うお岩に対して、「後妻は娶る、お前より若い女をな」「ガキなどいらん」などと言って実の子どもすら見捨てる右衛門がもう酷い酷い。口を押さえて「これは酷い」としか言い様の無いくらい酷い。
 宅悦から真相を聞かされ、顔が崩れた事を知り死んでしまったお岩を、口封じのために殺した小平と一緒に戸に打ち付けて川に流し、心中に見せかけるという悪漢ぶりを見せつける。
 しかしここからお岩の恨みが右衛門を襲う。




 お梅と結ばれる夜、その姿をお梅と見間違え、恐怖のあまり斬り殺してしまう。さらにお梅の祖父を小平を見違え、これも斬殺する。
「お岩の祟り」としか言いようが無い恐怖を前にし、逃げ出す右衛門。
 キター! と快哉を上げた瞬間です(ヲイ)。
 不謹慎だと分かってはいるけれど、お岩の一念が右衛門に届いたと思うと感激です。
 しかし、これはこれから起きる惨劇の始まりでしかない。今回はお岩の女としての恨みを晴らしただけであり、まだ右衛門が父の仇であるとは知らないのだから。
 顔が崩れ、産後であっても「女」としてのその一念を貫けなかったお岩の恨みは、まだまだこんなものでは終わらない。是非、右衛門にはもっと酷い目にあって、お岩の恨みを晴らしていただきたい。
 ……何だ、この暗い楽しみ方(苦笑)。