第1話「四谷怪談 序の幕」

 元武士である民谷右衛門は赤穂家お取り潰しの際浪人となり、妻であるお岩とも離縁されてしまった。離縁させた舅は彼が公金を盗んだのではないかと疑っていたからだ。
 それを屈辱と感じた右衛門は舅を斬殺し、それを隠したままお岩と夫婦になるが……。




モノノ怪』にハマったので感想を書こう! と思い立ったものの、『モノノ怪』は『怪〜ayakashi〜』で放送されたストーリーの一つ「化猫」の続編。そして「化猫」は全十一話の内のラスト三話……。
 ってなわけで、最初から感想を書いてみようと言う事であいなりました。
 この行動力を他に使えよ、自分。
 まぁ、それは横に置いておいて。
 以下感想。




 物語は、実在の怪談話『東海道四谷怪談』を原作とし、その作者である鶴屋南北が創作した怪談話をその歴史と共に語る、と言う形式になっています。
 離縁させられ、互いにその仲を裂かれた右衛門とお岩の二人。しかし舅を右衛門が斬り殺し、「仇を取ろう」とお岩と再度夫婦となるところから悲劇は始まる。
 夫婦になったはいいもの、子どもが生れたた途端に情が薄れ、産後の肥立ちが悪いお岩を放っておいて酒を飲みに家を空ける。その右衛門の冷たさがあまりに無情で無残。
「赤子を泣かすな!」
「貧乏なのに子どもを産むとは気が効かん」
だの言いたい放題。
 元主人の大病を治そうと民谷家に伝わる薬・ソウキセイを盗んだ小平を拷問紛いの方法で罰を与えると、まさに非道。
 そんな右衛門に恋慕した伊藤家の娘・梅から「産後の血の道を良くする」と届けられた薬は、実は毒で……。
 自分の父が夫に殺され、それを知らず夫婦になり、子どもを産めば邪魔者扱い。こんな男が一目ぼれされるあたり、物語の世界はあまりに酷い。




 そして右衛門とお岩と並行し、夫婦となった二人、権兵衛とお袖。お岩の義妹の彼女は、許婚の与茂七を権兵衛に殺されたとも知らず、仮初の夫婦になる。
 仇が傍にいると知った時、お袖はどのように動くのか。そしてお岩の最後は……。
 どろどろと女ではなく男が卑劣なところとか、見ていて何故か逆に安心できる、逆昼ドラ現象が自分でも不思議です(何)。男だと、観ていていくら不幸になっても構わないと思えるからでしょうか?