第23話「かなえられた願い」

 京子とデンスケを見つけ、コイルスの施設が残る古い空間を二手に分かれて探すヤサコとイサコ。しかしイサコに、裏切った猫目が「ノブヒコに会う最後のチャンスだ」と囁きかける……。




 イサコが……ッ(涙)。
 猫目の阿呆ー! 露出過剰ー! エロヴォイスー! 囁いて下さいッッ(ぇ)。
 でも、露出に関してはオヤジには敵わないんだからねッ。
 



 今回のエピソードの白眉は、やはりヤサコとイサコの二人の電話に他ならないっ! と断言したい。
 これまで友人ともライバルとも言えるような言えないような関係性を構築していた二人。笑顔で気安いコミュニケーションをとって人間関係を構築していたヤサコ。兄のためにひたすら目的に邁進しコミュニケーションを構築してこなかったイサコ。
 そんな二人が今、コイルス、暗号炉、デンスケの存在と、様々なものを共有し、少なくともこれまでの人間の中で、「一番近いところまで近づいた」と言わしめた関係性を構築した。
 その二人、転じてすべての人間の間に存在する道。人と人との距離があり、その間には信じなければ途中で途切れてしまう道がある。信じなきゃいけないのは、そういう人間同士が信じあって探す見えない道。
「メガネなんて幻は信じるな。自分の手で触れられるものだけ信じろ」
 それはあのイサコが、ヤサコとの間の「道」を認めて、それを確かに自分が感じている、と言うそこらの少年漫画なんかじゃ及びもつかない、熱い絆の存在証明だったのでしょう。



 
 そんなイサコがすべての始まりで、これからの悲劇が始まってしまった。ミチコさんに願ったのは、「永遠にお兄ちゃんと暮す事」。そのせいで、兄はあっちに連れて行かれ肉体は死んでしまった。そしてイサコも、暗号炉を暴走させた挙句、電脳体はあっちに行ってしまった。
 すべてがヤサコの外で始まり、悲劇で終わった一連の事件。まだ猫目の本当の目的は明らかになっていない。まだ本当の事件は終わってもいないのだ。




 イサコばかりではなくデンスケも消えてしまった。最後の最後まで忠犬道を貫いた天晴れなデンスケ。もうすぐラストにも関わらず消滅……。
 きっとデンスケの事だから、復活するさ!……と思いたい。




 ハードな展開でも、ダイチが清涼剤となって乗り切れました。彼は好きな女子に告白も出来ない。作ったチームは同い年の女子に乗っ取られリーダーの座を奪われる。年下の幼女にも弄ばれ、年上の女子高生の使いパシリだ。嗚呼、だがしかし。
 彼こそまさに男子の中の男子。男子・オブ・ザ・男子だ。