第5話「俺にはさっぱりわからねえ!」

 獣人の本拠地を目指し、今日も旅を続けるグレン団一行。大地の巨大な穴に落ちた先には、ガンメンを「カオガミ様」として崇める貧しい村だった。




「やりたくない事は死んでもやらない」「無理を通して道理をぶっ飛ばす」
 そんなカミナと、貧しい村を維持するために宗教と言うシステムを利用して、女子供を口減らししていた司祭の対立が痛々しかったエピソード。
 狭く貧しい村に閉じこもり、地上を楽園視して本当の事を自分の目で確かめようともせず、同じ村の仲間を地上へ送り出す=口減らしのために殺すと言うシステムを「俺にはさっぱりわからねえ!」と否定するカミナ。
 地上が楽園でも何でもない、ガンメンという強力な狩人が跋扈する世界であると言う現実と、父が焦がれ旅立った世界であると言う理想の二つを知り、自らの意思で地上を力強く歩くカミナだからこそ言っていい言葉。
 しかしそんな村の現実を分かるのは相棒シモン。
 この村にはこの村のやり方がある。自分達は必要ない。弱い者は自分で何か作れない、あるいは弱い自分しか作れない。強い自分にはそう簡単になれない、と言う事が一番理解しているシモン。
 そんな二人だからこそ合体なんだなぁ、と関心。




 口減らしのため、グレン団に参加したロシウ、ギミー、ダリー。
 村の現実を知り、それでも村のために地上を目指すロシウ。彼もある意味、シモンとカミナが捨てた「地中の村」を背負う主人公なのかも知れません。