『ドラゴノーツ -ザ・レゾナンス-』第4話「飛翔 -青の果てへ-」

 目覚めたジンはギオによってISDAに捕まってしまう。しかしそれは、トアに再び会う為の演技に過ぎなかった。月にいるトアの元へ、ジンとギオが飛ぶ。




 ジンとギオ。トアと言う一つで繋がった男二人。しかしジンには、ギオのように「トアを守る」と言う確固たる目的が存在しない。そのために生まれたとさえ言うギオに対し、ジンは「トアにとっての何者でもない」。
 自分はトアにとって何なのか。トアにとって自分は何なのか。それはトアに「一人じゃない」と孤独を否定してもらったジンだからこそ、知りたい、もしくは知らなければならない命題とも言える。
 ギオと共に地球を飛び出し、宇宙から地球を見たジン。父の言葉通りそれは事故以来の孤独だった自分の「人生を変える」に相応しい衝撃だっただろう。
 カズキとレゾナンスし、マスターには絶対服従しなければならないドラゴンの身でありながら「俺は俺だ」と自由に行動する規格外のドラゴン・ギオとドラゴンのマスターではない、何者かであるジン。
 そんな二人に、人間とドラゴンの関係性の変化の希望を見出すアキラ。現在の両者の関係性は表面上互いに対等にコミュニケートする関係性でありながら、実際には人間上位。パートナーのマキナと姉妹的な関係性のアキラだかこそ、今回のスピリタスの抹殺をきっかけにそこに思い至ったのかも知れない。
 ジンが「一人ではない」と感じた言葉の意味は彼個人のものだけでなく、人間、ドラゴン両者が存在している事を指した存外深い意味合いにつながっていく予感がする。
 今後のジンの課題は、トアにとっての何者かになる、と言う事か。
 スピリタスの暴走が殺人鬼だったマスターの影響、と言う事を考えると、ジンのなるべき何者かには大きな責任が伴うものになりそうだ。




 しかし、カズキは恐ろしいほどの転落人生。
 親友だったジンにギオを奪われ、他のISDA隊員に嫌味を言われ、喧嘩には負けて地に倒れ伏せる……。ちょっと前まで宇宙を目指していた姿からは想像もできなかった……事も、ないか(ぇ)。彼からは、そういうニオイがしていたし(笑)。
 傷心のカズキにハンカチを手渡す謎の美女の正体は? と思ったら、しっかりEDに登場していた……。




 キタジマのドラゴンへの執着の理由。タナトスの国民への発表の示唆など、ジンとトア二人の関係性から、自体は宇宙規模へ広がっていく予感。もともと、そういう作品ではあるけれど。




 しかし、ISDAに装備を盗りに戻ったジンの無計画っぷりには観ていてヒヤヒヤした。元々パイロット志望だから知識はあったんだろうが……。とりあえず、殴って壊れるセキュリティは見直したほうがいいと思う。