『仮面ライダー THE NEXT』

 観に行ってきました。
 レイトショーだったから、帰りの夜道が怖いのなんのって……(ぇ)。
 以下ネタバレ感想。
 前作『仮面ライダー THE FIRST』が原作をベースにしたストーリーラインであるのに対し、今回はいわゆるTV版をベースにしたそれになっています。
 TV版初期の何とも言えないホラー感……。異形の生命体が引き起こす連続切り裂き殺人と、明るい人気アイドルChiharuのJ-POPとの対比が、逆に前者の恐怖を引き立てて、なおかつ歌っている本人の救われない(色々な意味で)EDにつながっていっていました。




 作品を象徴するエレメントは、前作の「水」に対して「炎」。
 本郷、一文字の二通りの純粋さと大きなファクターであった「血」を象徴する水でしたが、今回の炎はV3=風見志郎の妹の悲劇に対しての怒りを表すものになっています。劇中でV3が反転キックを繰り出したからもしや「V3火柱キック」が炸裂か!? と思いましたが、そこは普通にパンチでした。
 まぁ、繰り出す相手が相手ですから、パンチがいいんでしょうね。




 本郷、一文字がショッカーを裏切ってから二年。
 スーツ、マスクが傷だらけのリペイントを繰り返したものになったばかりではなく、本人達も大きく変化。特に本郷の、学級崩壊しているクラスの学生達からいぢられているのは大きく納得。今時あんな純粋な男は、きっとそうなります。
 拒絶反応に怯えながら、しかし豪遊を繰り返す一文字は、前作から見れば納得の変化。
 本作はV3の誕生編であると同時に、二人の友情を確かめう物語でもあります。
 本郷→一文字の友情。拒絶反応に耐える彼に少しでも長く生きてもらうために、彼を殴っても行かせない本郷。
 一文字→本郷の友情。本郷の窮地にかならず参上し、常に彼と共に戦い続ける。
 もう、この二人ったら……! なんていうか、観ていてニヤニヤしたというか。まさに永遠のコンビ。
 このコンビがそれぞれ持つ「人への愛」「空虚な己に対する戦い」が、風見志郎に影響を与えて、ショッカーを裏切るキッカケになっていきます。
 デストロンに家族を奪われ、その怒りから一号、二号に改造を乞うて誕生した旧V3。今作はその誕生編として現在っぽくリメイクした最高の作品になっています。





 ラストの「あの」結果には、ほんとに色々考えられるのですが、最初に思いついた事だけ言っておきます。
画竜点睛を欠くとはこの事だ!!!




 今回も前作同様「続きそうな」終わり方をしているので、その行方が気になるところです。 
 でも変身システムがライダーマンの存在を許さないので、そこは気になる(笑)。次作をやるなら、次はやっぱり『X』かなぁ。アポロガイストとか現在風にリメイクしたらかっこいいんだろうなァ。と妄想しつつ。