三田誠『レンタルマギカ 妖都の魔法使い』

レンタルマギカ―妖都の魔法使い (角川スニーカー文庫)

レンタルマギカ―妖都の魔法使い (角川スニーカー文庫)

 読書マラソン3・六十三冊目。
 アニメも好調、『レンタルマギカ』最新刊。……の割りに、読むのは遅かったりするんですが(苦笑)。
 以下感想。
アストラル査定のために、<協会>の本拠地・ロンドンへ向かう一同。しかしそこには、あの錬金術師ユーダイクスと思しき犯人による魔法使い連続殺人事件が多発し、また<螺旋なる蛇>の陰謀が見え隠れしていた。




 ついに<螺旋なる蛇>が表社会(あくまで魔法使い側、と言う意味で)にデビュー!
 ユーダイクスと同型のボディを持つ自動人形、ネクロマンサー二人のコンビが、ロンドンの血塗られた呪力をもってテムズ川の<竜>を目覚めさせると言う暴挙に。
 彼ら二人のほかに、フィン、前巻で登場したツェツィーリエ四名に加え、さらに強力な六人の魔法使いを有する<螺旋なる蛇>の最終目的は、魔法使いであっても夢物語・妄想だと思う「夢」の実現。
 ラストにおけるネクロマンサーの「魔女狩りを忘れるな」と言う言葉からすると、魔法使いだけの社会、とか言い出しそうですが。




 そしてアストラル側は、ユーダイクスがすっかりツンデレに。
 体を奪われて生首だけになった状態での登場ですが、それも<螺旋なる蛇>が持ついつきの眼帯の材料を集めるためのもの。
 穂波、アディリシアに加え、あのオルトヴィーンでさえも「いつきは僕だけがいじめていいんだ」(意訳)と言い出すなど、ツンデレ揃い(定義に関しての議論は無視の方向で)のアストラル。もう、そこらかしこツンツンデレデレで困っちゃうっ!




 今回の目玉は、あの影崎さんの実力発揮!
 そこらの魔法使いとはまさに次元が違う、呪力を完全に抑える力を持つ彼。<協会>副代表よりも年上であり、さらに聖人と同様の能力を持つ彼は、他のものとは一線を画した存在らしいですが。
 でも、ちょっとまなみの前では弱いのも変わらぬのですが。




 第二部第二巻にして、アストラルメンバーそれぞれの別れの予感も。特に、いつきの妖精眼の秘密を握る祖母を持つ穂波との関係が危うくなってきて、さらに緊迫の展開が続きます。