『ドラゴノーツ -ザ・レゾナンス-』第2話「逢瀬 -動き出す世界-」

 二十年前、冥王星を消滅させたタナトス。そこから飛来してきたドラゴンがシャトル事故の原因であった事を知ったジンは、ISDAへの協力を拒む。
 再会したトアと僅かな逢瀬を楽しむジンだったが、ISDAドラゴノーツ隊が二人を追っ手として迫る。




 今回はジンとトア、二人の逢瀬により、二人のストーリーが表されたエピソード。
 ジンの心を縛るシャトル事故。
 原因となった地球外生命体ドラゴンの存在が安全保障上の理由から公表される事が無く、したがって父の名誉を回復する事もできない。さらにそんな状態に手も足も出ず、ISDAの連中に好き勝手言われ放題で無力なジン。
 そんなジンの心を縛る何もかもを無視して、ただ自分との関係性だけ覚えていればいい、と言ってのけるトア。さらに「必ず迎えに来るから」と、あえてジンと離れるトア。
 今ここに、「囚われのヒロイン」主人公ジンを「白馬の王子様」ヒロイン・トアが宇宙へ連れ出し、ジンの人生を変える、と言うストーリーが生まれた事になります。
 しかし両者のヒロインっぷり、白馬の王子っぷりは、観ていて非常に清清しいものを感じます。ここまで徹底されると、逆にどんどんやって欲しくなる(笑)。
 しかし自分を変えてくれるトアが、家族を奪い今なお苦しめるドラゴンであると分かった時、ジンはどう対応するのか、が次回の肝となるようです。




 彼ら二人を中心に、ジンとトアを巡る周辺組織、ドラゴンと人間の関係性も若干見えてきました。
 ジンとカズキのすれ違う友情。
 親友同士は今や、夢追い人とそうでないものに分かれ、拳銃を向け合うまでになってしまう。ジンとカズキは、共にドラゴンのパートナーになっていますが、ジンがトアにアプローチされているのに対し、カズキはギオにアプローチしている、と言う逆転が何となく気になるポイントです。何だか、最後の方で裏切るとかどうとか、そういうフラグが立ちそうです。
 SDAから狙われる特別な存在であるトア。
 何がどう特別なのか、と言う部分は明かされていませんが、シャトル事故の際、三つ落ちてきたドラゴンの内の一つである、と言う事なのか。ジンと何らかの関係があるとしたら、そこしかないですが。
 ISDA内部で衝突するヘイゼルとライナの思惑。
 ヘイゼルはジンをドラゴノーツにしようとし、ライナはそれを快く思っていない様子。ヘイゼルはジンをトアのパートナーにして、管理下におこうとする魂胆、もしくは単純に戦力の増強だとしても、ライナの方は?
 人間の意識が原因で暴走するドラゴン。前回の化物は、スピリタスが暴走したものだったようです。
 人間と関係性を結ぶがために不安定になるドラゴンなのに、格別、共鳴していないトアが一番理性的に力を行使し、スピリタスに対峙しているのは皮肉な構図。




 ……そうか、ジンはちっちゃい男なのか(笑……えないよねぇ)。





 今更気がつきましたが、オペレーター三人娘(次回予告三人娘)の一人、ジングウジ・メグミ役の中村知世って人の名前、どこかで聞いた事があると思ったら、『ボウケンジャー』の菜月役の人かー! 気がつかなかった、不覚ッ。