岩佐まもる『コードギアス 反逆のルルーシュSTAGE-2- KNIGHT』

 読書マラソン3・六十二冊目。
コードギアス』ノベライズ第三巻。STAGE-0-からのカウントだから、これで間違いありませんよ、と誰に説明しているか。
 第一期の放送も終了し、DVDも全て発売しと、ノベライズもある程度巻を重ねたと言う事で、これまでで最大の読み応えでした。凄く面白かった!
 以下感想。
 今回は、タイトルの「KNIGHT」が示すように騎士=守る者とそれに守られる物の物語でした。
 アニメ本編で言う所の、マオ編〜ユーフェミアがスザクを騎士に任命するまで(stage 12〜stage 17)が描かれています。
 全体のストーリーを追うのではなく、C.C.とユーフェミアを中心にストーリーの語り部に据えているので、守る者、守られる者という視点から見た物語が一層濃くなっているのです。




 マオ編では、C.C.が語るマオとの生活と自らの過去。
 これまで幾度と無くギアスによる契約を結び、願いが叶う事無くそのたび魔女である事を避難され傷つけられていたC.C.。
 彼女が見つけたマオは、ギアス能力に関してはルルーシュをも凌ぐ群を抜いた才能を見せた。しかしその能力の強さゆえに自らの殻にこもり、町を一つ滅ぼし、本編のような狂気の性格に。
 そして、そんな彼を殺すべきだったにも関わらず、殺せなかったC.C.の悔恨。
 ナナリーと共に、花と、その花言葉ルルーシュ達に当てはめていく喩えと重なって、C.C.により深みが増したものに。




 後半では、ユーフェミアの騎士がメインに。このユーフェミアの騎士を巡る争いは、当然ナナリーの騎士にとスザクを狙うルルーシュの思惑があるわけですが。
 守られるばかりではなく、守り返したいと願うユーフェミア
 一方ルルーシュは、損得勘定でスザクの命を守ろうとする。藤堂を助けたのも、その一環でもあり。
 その二人の差が、こんなところでひどく残酷に出てしまいました。
 父親を殺し、自らの死を願うようなスザクの決意を読み違えたルルーシュの読みの甘さ。無頼改のコクピットの中でひたすら笑うルルーシュの姿が……。




 小説だけあり、アニメでは出ないような細かい文字設定も楽しく読めた一冊でした。
 一番気になったのは、ガニメデの構造は対ナイトメアフレーム戦向き、と言う部分。ルルーシュ達の母親、マリアンヌがストーリーに大きく関わっている事が明白の中で、彼女がパイロットを務めた事がどのような意味を持つのでしょうか。