『獣拳戦隊ゲキレンジャー』修行その30「セイセイでドウドウの女」

 操獣刀を手に入れるため、ゲキチョッパーに戦いを挑むメレ。しかしロンは、正面から挑むメレの戦いを批難する。メレは理央のため、しぶしぶケンの妹・幸子を誘拐するが……。




理央様の愛のために生き、理央様の愛のために戦うラブウォリアー」。
 それがキャッチフレーズのメレ。
 そんな清清しいまでに真っ直ぐに愛を公言し、それを動機に戦う姿に、今期の特撮ヒロインの中でもトップクラスの人気と同時に頼もしさを感じさせてくれるメレ。
 しかしそんなメレの、ある意味臨獣殿らしからぬ真っ直ぐさをロンに逆手に取られ、人質を取るという本人も気が進まない作戦を取る事になってしまう。




 愛のために一途に戦う彼女のスタンスがロンの口車によって微妙にそのニュアンスを変えていき、最後にはケンとの約束を違えて幸子を殺してしまう(実際にはゴウが助けたのですが)。
 その結果彼女が手に入れたのは、なんと怒臨気
 まさかメレまで怒臨気を手に入れてしまうとは、ほんとに予想外。
 彼女は最後までそういう「愛」以外の特別なファクターは手に入れないと勝手に思い込んでいただけに吃驚です。
 また、理央の怒臨気獲得が、
ゲキレンジャー達ばかりが力を手に入れる事への怒り=他者に対しての怒り」
に対してメレのそれは、
「自分の拳士としての誇りが失われた事に対する怒り=自己への怒り」
で怒臨気を獲得すると言う両者の違いにも。
 理央が強さでメレは愛。
 それぞれ他者に示し、自己の中で堅持する事でそれは高められるという描写がなされる二人。
 しかし両翼の一端を担うメレの愛にここに来て翳りが……?




 理由も知らずメレを「卑怯」「卑劣」と批難するゲキレンジャー達に、視聴者側から観れば逆に批難が殺到しそうですが、こういう谷は物語に深みを増す効果があるので、これからのカタルシスに期待です。
 師匠にも無断で臨獣殿を離反した二人の未来は? 
 みんな、メレのお腹の中にはそれでもバエがいる事を忘れちゃ駄目だよっ(ぇー)!



 
 だんだんロンの本性が出始めました。慇懃な態度に反して、誰も観ていない時には一転してメレを見下します。次回は拳魔とも絡むようなのでその時の両者のリアクションが楽しみです。




 今回もゲキチョッパー=ケンのキャラクターを他のメンバーを絡ませて掘り下げるエピソード。
 先週がレツで、今週はゴウ。同じ年下の弟妹を持つコンビなれど、その性格は正反対。
 ジャン語で分類すると、ヒネヒネとグダグダ。しかし協調性が無いように見せて家族や仲間のためには決死の覚悟を見せる事など、トライアングルの三人に対して外側にいる二人だからこそ絡むと面白い。
 しっかし、ほんとにケンのセンスって微妙と言うか何と言うか……。あんなのどこに売ってるんだろう。
「近い近い!」なんかのギャグもジャン達ではちょっと出来なかった事なので、これからも激獣拳を彼には思う存分引っ掻き回してもらいたいもんです。
 



 次回は小林雄次さんが脚本に参上!




 ところで、イキギモの時の「プレシャス」といい、今回の「恐竜や」といい、脚本の方々は好き勝手やってるなーwwww
 アクション映画+スーパー戦隊シリーズのオマージュじゃ、ほんとにマニアックすぎて困る。でも、そこが好きなの……。