『七人のマッハ!!!!!!!』

獣拳戦隊ゲキレンジャー』からアクション映画に触れてみよう、第四弾。
 今回は前回の『マッハ!!!!!!!!』に引き続いて『七人のマッハ!!!!!!』。相変わらず、「!」多ッ!
 ストーリーはこちら



 特殊部隊に所属する刑事デューは麻薬王ヤン将軍を壮絶な追跡の末に逮捕するも、共に事件を捜査していた上司が命を落としてしまう。
 上司の死で失意に暮れるデュー。
 そんな折、妹ニュイが行く小さな村へのチャリティに参加する。そこには一流のスポーツ選手達が集まっていた。
 そこに現れる謎のテロリスト達。彼らは村人達を人質に取り、ヤン将軍の身柄の解放を要求した。
 村人達を救うため、デューがテロリスト達に立ち向かう!


 この作品ほど前評判と中身が違うものを始めてだった……。
 最初は、これがB級アクションぐらいのノリだと思っていた。
 だって、「七人のアスリートが村を選挙したテロリストと戦う」だし、いかにもキワモノのニオイがした。
 その七人のアスリートも、テコンドー、サッカー、器械体操、ムエタイセパタクロー、体操、ラグビーと、ほとんどアクションと関係無いじゃないか!
 何だよ、セパタクローって!
 しかもその七人にはそれぞれ

と必殺技まで設定されているのを知って、間違いなくキワモノアクション映画だと思っていた。




 だがそれは、大いなる勘違いだったわけで。




 初っ端から始まった壮絶なカースタント。
 村人を容赦なく虐殺するテロリスト達。さらに人質として一山いくらの扱いを受け殺され続ける村人。響き渡る悲鳴に嗚咽。おまけに、テロリスト達はバンコクに向けて小型核ミサイルを発射する準備まで……!
 デューがテロリストと単独で戦うも、当然一人では太刀打ちできず敗北します。これが前半のメインなのですが、ここからさらに暴走の度合いを深めていくのが後半。
 核ミサイルからバンコクの人々を守るため、何より殺された村人達の仇を討つために、何と村人達全員がテロリストと戦う事に!
 



 どこが「七人」のマッハ!? 村人全員のマッハじゃんっ!
 しかも決起のきっかけとなったのが、テロリストが状況把握のためにつけていたラジオから流れていたタイの国歌。
 それを村人全員が歌い始め、そして、決意した村人達が一斉にライフルを装備したテロリスト達に飛びかかっていく! ……もちろん素手でッ!
 無策で武器も無く、まさに勢い任せで飛びかかっていく村人達にテロリスト以上の狂気を見てしまったのは自分だけなのか。
 さらには親を殺された子どもまでが戦うと言う異常事態に。しかも、肝心のトドメは人にやらせるのです。
とどめをさして!
みたいな事を叫ぶのですが、
そうじゃねぇだろ
と思わず画面につっこんでしまいました。そこまで来たら、全部自分でやりなさい。
 いや、作り物だと分かっているのですが。
 



 ともかく、ナショナリズムとか自己犠牲とか国民性の違いとか、非常事態におけるどうたらとか、無駄に考えさせる内容です。




 また、前作同様CG無し、ワイヤー無しと全部生身のアクションを通しているだけあって、アクションする時の痛みが十二分に伝わってきます。下手すると死にそうな映像が一回どころか二回、三回、四回と続き、見ているコッチが泣きそうになります。
 まさに「命がけ」を体現した、壮絶なアクション映画なのでした。
 



 教訓。映画は油断が出来ない




 次回はおすすめいただいた『トム・ヤム・クン!』。