第十夜「サーカスは真夜中に嗤う」

 奈美が骸骨男に殺されてから四日が経った。森の中に潜伏していた隼人は、叔父、黒潮の口から驚くべき真実を聞かされる。
 そして、骸骨男と獣人達はブレインギアが送り込んだサイボーグチーム「SIRKS」との死闘を開始する。




 隼人と骸骨男。二人の主人公達を死線と死闘が襲う。
 隼人は、無実の罪で森の中で潜伏中。しかしこのままではいられないと理解し、助けを求め黒潮の下へ。しかし、他ならぬ父親を殺したのは黒潮の指示によるものだった。
 しかし黒潮は真実を告げず、ただ隼人を逃がすのみだった。
 森の中で、死に瀕した徹郎を看取ったものの、その最後の言葉を聞く事はできず……。
 ついに大伴市で頼るべきものは誰もいなくなってしまった隼人。霧子も自ら遠ざけてしまい、頼るべきは芳生ぐらいなものだが彼の正体は……。
 神代のクーデターを前にして、隼人の行動が見もの。




 さて、今回のメインは骸骨男、獣人とSIRKSとの死闘!
 ブレインギアのサイボーグにして商品であるSIRKS達。彼らに命を吹き込む声優さんが、平成『サイボーグ009』キャストと丸々一緒! 
 森久保祥太郎さん、飛田展男さん、大塚明夫さん、茶風林さん、岩田光央さん……。今回のこれだけのために、ここまで持って来たとは……!
 また、能力も水中潜航。怪力。全身武器。火炎放射など、能力もそこから引用されている。
 さらに、ヴォグートと話をしていたガモ博士は、『サイボーグ009』にて001ことイワンの父親だった。
 一体どこまで『009』から持ってくるのか! いいぞ、もっとやれ!




 今回は、ヴォグートの言う「死者の中の生者の部分」を忘れた名前を求めて暴走する04が象徴していた。
 これを骸骨男=神父様=神崎芳生が人間としての名前を囁く事で、彼はサイボーグ04ではなく、人間ジャックとして死ぬ事ができた。
 これはこれまで骸骨男が獣人に行っていた事と同じ事だと思う。人間性を無くして暴走するだけの獣人の苦痛は、もはや死を持ってしか救済の方法は無かったのだろう。
 そしてそれら獣人を生み出す元凶だった白鈴會であり、摩耶だった。
 しかし彼女は神代に連れ去られた後であり、戦いの舞台は大伴市へ。彼の花嫁発言、黒潮の引退。立木と手を組んだ新條と霧子。そして降臨祭など、ラストに向かっての疾走が始まった。