『ロミオ×ジュリエット』第18幕「志〜それぞれの胸に〜」
決起のために準備を進めるジュリエット達だったが、他の反モンタギュー勢力とどう連絡を取るかという問題にぶつかる。フランシスコは舞台を利用する事を思いつき、そのために準備を始める。
一方、ロミオ達もエルベ村で新たな生活の一歩を踏み出していた。
ロミオとジュリエット、ついに再会!
ようやく叶った再会である。抱きついたりくるーっと回ったりぶわーっとスカートが回ったりキスしたりと、あまりに甘い再会ににやにやが止まらなかった。これぞ王道革命劇の真骨頂よっ!
ロミオが人々と共に作った新たな居場所。
畑を耕し、水源を確保し、家畜を飼い、何より人々が差別無く一つとなって生活している。
そしてジュリエットは、新しく植える花にアイリスでなく薔薇と言った。モンタギュー家を象徴する花であるそれはもはやモンタギューへの憎しみの象徴ではなく、ロミオを愛し受け入れる証となった花だった。
単なる再会ではなく、それぞれの境遇の葛藤を克服しての再会だから、特に感動が強かった。
しかし、すっかりロミオが若大将で、ジュリエットがその恋人だと村人達に認知されているのには思わず吹いた。「ハンカチの子」っていくらなんでもそのまますぎる。
また、反モンタギュー勢力へのメッセージのため「圧政をしく暴君を正義の騎士が打ち倒す」と言う内容の芝居を公演する事に決めたジュリエット達。
自由民権運動の時もそうだったが、やはり分かりやすく大勢にメッセージを伝えるにはこういう芝居の形を取るのが王道である。ウィリアムの言う芝居の影響力は強力。
芝居の練習や衣装、小道具の準備に奮闘するジュリエット一行が面白い。アントニオ達の距離が微妙に縮まっていたり。
しかし、そういうコメディパートの裏で、これからを予想させる戦いへの伏線はしっかり張られている。
冒頭の枯れた薔薇を踏み潰す車輪にはじまって、剣などが高値で売れる=武器の需要が高まっていると言う現状。そして、「ジュリエットの幸せとネオ・ヴェローナの幸せ」と言う選択。
エスカラスと共鳴しているジュリエットなだけに、不安を掻き立てられる。
ロミオに、以前の老人が示唆したように「いつか」では遅い日が来るのだろうか。
ネオ・ヴェローナでは自らが殺害したにも関わらず抜けぬけと花を捧げるなど、暴君っぷりが光るモンタギューだった。