『電影版 獣拳戦隊ゲキレンジャー ネイネイ!ホウホウ!香港大決戦』
三十分と短い時間ながら、休む事無いアクションの連続で大満足。凄く楽しめました。
役者さん達の生身のアクションも多く、CGとの融合も素晴らしく、電影版にかけたスタッフの意気込みが伝わってくるような気がします。
ところでどうでもいい事ですが、映画館の中で隣に座った母子連れが凄く気になりました。
子どもはOPを小声で歌ったりするし、お母さんの方も方でぼそっと「何で香港?」とか呟いています。
「あー、子どもの時歌った歌った」
とちょっと寛容な気持ちになったり、
「それはね、基本的に『ゲキレンジャー』はマニアックだからですよ」
とか無駄な解説してました(笑)。
……あれ、内容に触れてねぇッ!
というワケで以下ネタバレ感想。
リンシーズを率いるメレと戦うゲキレンジャー。そして座禅する理央を監視する怪しげな機械。彼らは謎の機械によって、突如香港へと転送されてしまう。
今回のテーマは大きく二つで、
一つは「合理化と修行」
一つは「獣拳」
の二つ。
今回の敵役、香港のメディア王ヤンは、銘功夫(メカンフー)の使い手。
銘功夫とは、自らが修行して強くなる拳法ではなく、修行して強くなった他人の「気」を奪いとって力にする拳法。
「世の中合理化の時代。楽をして力を得た人間が勝つ!」と豪語する使い手にしてメディア王として権力の頂点に立つヤン。
それに対して、実は香港国際警察の捜査官だったラオファンとジャンは「ネイネイのホウホウ(二人で協力する事)」で勝利し、またゲキレンジャーのトライアングルの力を結集して勝利します。
徹底的に自らの力で力を手に入れる事と、一方的に他人を搾取するだけのヤンに対して他者と協力する事で大きな力を発揮する事を痛快なアクションで爽快に描いています。
そして、今回のメインの一つである激獣拳と臨獣拳のタッグバトル。
どちらも祖を同じくする「獣拳」故に、ゲキトージャとリンビーストとの合体も可能!
拳法がテーマとなっている作品であるために封印されていた「剣」と言う武器を携えたゲキリントージャがかっこいい事かっこいい事!
バエの実況も冴えに冴え……いや、いつもと余り変わってないか(ぇ)。
六本腕と言う生物を超えた動きを可能にする銘観音との戦闘は、それぞれのリンギや見所を生かした面白い映像に仕上がっています。
理央とメレのリンギ発動シーンはともかくも、ゲキイエローとゲキブルーの時にはビルにずるずる昇りはじめた時には流石に吹いた。
いや、何もそこまで律儀にしなくてもwwwww ジャンプとかすればいいのにwwwww
獣拳の名誉のためにはゲキレンジャーとの共闘も辞さない理央ですが、それはあれですか。
「フ、フン! 別にゲキレンジャーのためなんじゃないんだから! 獣拳の名誉のためなんだからね! 勘違いしないでよね!」
的なツンデレさんですか。
ふふ、理央様ったら……(メレ風に)!
そしてオチは、香港に駆けつけてきたマスター・シャーフー共々、真咲母娘達に付き合わされる食べ歩き地獄。この二人、底無しかッ(笑)!
最後のダンスで臨獣殿側の二人が出演しなかった事が残念と言えば残念。しかし、メレはともかく理央が踊っているところは想像できないなァ……。
以下気になったキャラや事柄をいくつか。
- ラオファン
香港国際警察の中で単独捜査も許される凄腕捜査官。でもドジっ娘(笑)。
アクションの勢いで重くなりがちな中で、彼女のドジっぷりが巧く空気を緩和してくれます。また彼女には、激獣拳も臨獣拳も同じ「獣拳」であると指摘する重大な役割も。
ちょっとジャンといい感じになってそうな二人。劇場版でゲストヒロインといい感じになるのは、『デカレン』でもそうでしたが……。あ、そういえば脚本は同じ荒川稔久さんかー!
- ヤン
世界経済を裏で操るメディア王にして、世界征服をたくらむ邪悪な男を見事に石橋雅史さんが怪演。いやぁ、生身でも発揮される名状しがたい迫力はさすがとしかいいようがありません。
でもこういうキャラクターって、どっちかって言うと『007』シリーズによく登場してそう(苦笑)。
- ミランダ
ヤンの秘書役としてインリン・オブ・ジョイトイが。彼女のメレとのアクションシーンは別の意味で必見です(最低)。
- ナレーション
毎度お約束の『「ケモノ」を心を感じ〜』と言うナレーション。
この時ジャンが胸に手を当てているのが凄く印象に残りました。素直に「かっこい〜!」と思ったポイントの一つでした。
- 格闘家達
ヤンが主催する「乾坤一擲武術会」に世界各地から集められた格闘家達。
こいつらが、全員怪しすぎて困るwwwww
誰を指摘してもツッコミどころばかりなので、あえて語りません。
- マニアックなポイント
マニアックな『ゲキレンジャー』。
今回は「香港」「黒幕のメディア王」「香港国際警察」「ブルース・リー」の銅像、あたりでしょうか。
あと「字幕」。
どれをとってもお子様達には分からないネタばっかりでした。大きくなったらまた観てねー!