『DARKER THAN BLACK -黒の契約者-』第十八話「掃きだめでラブソングを歌う…(後編)」

 黒のアパートにドールの少女と逃げ込んだ健児。しかし、すでに一橋は中澤を殺害し、幹部をどれだけ抱きこめるかの正念場だった。資金源であるドールの少女を追って、一橋の追っ手が迫る。




 今回の前後編で健児や一橋が主張していたのは、「命を賭けてでも守りたいものがあるのかどうか」。
 ひるがえって、黒にも突きつけられる問題でした。
 思いが一つあれば怖いものなんか何も無い、と一貫して主張し続け、それを実行する健児。また、ただ単なる田舎の暴走族(?)だった一橋にもいた守りたい女性は失われ、彼はただ暴走し暗殺されました。
 健児達の精神論に対し、常に現実論を突きつけるのは黒。あっさりと「李さん」モードを脱ぎ捨てて、健児に言葉でずばずば攻撃。
 しかし一人女性用下着や服、カツラまで購入するなど、いつものツンデレ黒フルスロットル。
 こんな時、黒が「感情ある」契約者だと言う事にワキワキさせられます。一体どんな羞恥で下着を購入したのか……(ぇ)!




 健児達につきあってやる黒は、銀や猫も指摘するようにいつもと違っておかしいテンションでした。それは前回、アンバーと再会した事での変化なのでしょうか。
 常に冷静で任務を果たしていた黒でしたが、組織の命令違反などは少なくとも最小限でした。しかし今回は、最初から最後まで過剰に健児に肩入れしていました。
 これは「どこか遠くへ逃げる」と言う、かつて果たせなかったアンバーとの口約束を叶えられなかった事を健児達に重ねていたのでしょうか。
 自分だけが妹、アンバーと辛い事を背負っているような気持ちだったけれど、健児に「世の中みんな他者のために頑張ってる」と言われ、他者である二人を助けてやりたくなったのでしょうか。




 ともかく、戦いの果て、健児とドールの少女は秋田まで流れ着いたようです。きりたんぽをアパートのみんなに配る事で、黒が日常の世界に一歩深く関わるきっかけになりました。
 この関係性の深まりが、今後のアンバーらの東京消失を阻む大きな動機となるきっかけになるんでしょう。




 今回は黒と未咲が下着売り場(笑)で再会。後姿でBK201と直感するのはさすが未咲ですが、留学生の「李君」モードだったので今回はバレませんでした。
 しかし、一度目は銃撃戦。二度目は下着売り場って……。どんな出会いだwwwww
 新宿駅でのBK201の事件を知り、ニアミスが続きます。残り約二ヶ月で、どう疑いは核心へと結びつくのか。楽しみです。




「ドールには感情が無い」と言うのが初期設定ですが、後半は意図的にその設定を崩しにかかってますね。
 今回のドールの少女も、健児のために観測霊を飛ばして銀に助けを求めたり、健児の想いに応じていますし。
 と言うか、何らかの特別な関係性を構築できる人間とコミュニケートした時に、ドールや契約者の感情は復活する、と言う設定なのでしょうか。
 むしろこの場合、設定だとかドライに考えるのではなく、ただ単に健児の想いにドールの少女が応えた――と言うところに、素直に感動しておけばいいのでしょう。
 自分も、健児に思わずサムズアップ(笑)。
 



 次回はいよいよ黄編……?