『DARKER THAN BLACK -黒の契約者-』第十七話「掃きだめでラブソングを歌う…(前編)」

 イブニング・プリム・ローズが警察に対して犯行声明を発表。警察はアンバーの存在と、南米の天国門消失との関連を危険視する。
 その頃、黒は通常任務に戻っていた。今回は盛り場に潜入しドールの取引を押さえる事だったが、ヤクザの舎弟、健児と関わりを持ってしまった事から、自体は思わぬ方向へ転がっていき……。




 前回は、アンバーらイブニング・プリム・ローズらとの接触と言う重要なターニングポイントを迎えた反動か、「組織」のエージェントとしての通常任務のエピソード。
 しかし、下宿の住人達との触れあいと、一人生きる黒の孤独を、人懐っこく、どうにも憎めない小者、健児を通して見つめる事で、彼の孤独が浮き彫りになったエピソードになりました。
 こういうチンピラ役をやらせると声優の吉野裕行さんはハマリ役としかいいようがないほど、合ってる。




 アンバーとかつて恋人同士であり、それを裏切られた反動で誰とも触れ合わず表面だけ取り繕っていた黒。下宿の住人同士の関係も、黒にとっては関係の無い話。
「一緒に食事」をすると言う本来なら心の距離をぐっと縮められる話ではあっても、黒との距離を縮められる者は誰にもいない。
「一人でも生きていける奴はいるさ」と流せば楽だけど、健児はそういう事ができない。




 兄貴に改まって頼まれる事はヒットマン、なんて思っている単純な男には、黒の孤独をそういうものだと流す事も、任侠者がドールとは言え(本人はその存在を知らなくとも)人身売買なんてできるはずもない。ましてやそれが女の子ではこの手のタイプの男ではなおの事。
 取り逃したターゲットが期せずして懐中にやって来た黒は、どういう選択をして、どういう行動に出るのか。




 ドールでも人間なのか。それとも文字通りの人形なのか。
 アンバーらの「契約者の人権」を求める声明と相まって、より新たな人類と旧人類との差異、距離の違い、それぞれの立場の重さ。そして命の価値に食い込むエピソードになりそうだ。




 また、未咲と香那美の二人が、黒とイブニング・プリム・ローズとの関連に本格的に探りを入れ始めた。次回の女二人の絡みに今からトキメキが止まらないのであった(コラァ!)。




 そういえば、今回のゲスト(ボンドガールならぬヘイガール?)は、珍しく男である健児だった。ストーリー的にはドールの少女がゲストヒロインなのだろうが、ここは女心だけでなく男心も弄び放題、と言う意味で健児がヒロインであって欲しいところだwwwww