『DARKER THAN BLACK -黒の契約者-』第十三話「銀色の夜、心は水面に揺れることなく…(前編)」

 黒達のチームの情報を狙って、イツァークとベルタと言う契約者達が送り込まれる。イツァークの能力により、観測霊を捕獲された銀は街を彷徨う。
 その頃、久良沢探偵事務所にエーリスというピアニストが現れる。キルシーと言う少女の捜索を依頼したのだったが、キルシーとはドールになる以前の銀だった。



 超常能力を行使する契約者の中でも、ドールはさらに異色の存在。第二話での篠田千晶での扱いからもそうだったように、完全に心を失い他人の心すら流し込まれるドール達は様々な奇抜な契約=精神的対価とそのキャラクター性で印象深い契約者達と完全に対照的とも言えます。
 今回は、銀と言う心を失ったドールを主役に据え、契約者、と一般人の心と感情の揺れを描くエピソードになるようです。
 また、同時にこれまで不明瞭だった「組織」の恐ろしさの一端も見えそうな予感。



 アバンタイトルの、エーリスがキルシーに教えた感情の操作。
 観測霊を捕獲し、ドールとリンクする契約者イツァークと超音波(?)を操るベルタ。
 イツァークの契約対価は詩を作る事。ベルタの契約対価は、何とタバコを食べる事(もちろん飲み込まない)。両者とも、互いの心を動かすに足るインパクトを持った対価でした。
 少なくとも、自分自身、「詩を作る」と言う対価に半分呆れ、「タバコを食べる」と言う対価のインパクトには時間も忘れて叫びました。
 キコの銀に対する「外面は基本」など、今回のゲストは大きく視聴者の「感情」「心」に訴えかける設定の持ち主でした。
 銀を助けたい黒と猫。しかし黄は組織の恐ろしさを知り抜いている故に、失敗を許さず、次は情報漏洩を防ぐため銀を殺そうとまでします。
 それらもまた、それぞれのキャラクターの感情の揺れから来る行動です。
 最終的に、銀は黒達の下へ戻るとしても、少しずつ記憶が戻っているような描写のある銀は、感情を取り戻すのかどうか、が後編のオチになってくるんでしょう。



 それにしても、この探偵事務所がからんでくるとギャグが面白い。特に猫がwwwww
「面が割れてるんだぜ!?」「よく見る顔だ、気にするな」とか。 
 タクシーにしがみつく猫の姿にはもう大爆笑。もっと他にやり方はなかったのかwwww
 キコの友人が巨乳眼鏡でいかにもなビジュアルだったり、デスノートネタまで!? おまけに、誰もが言い出せそうで言い出さなかったサービスシーンまで!
 そういえば確かに、サービスシーンらしいサービスシーンは無かったなぁ。毎度ゲストヒロインを黒が陥としていくのがサービスシーンと言えばサービスシーンですが(笑)。



 ところで。
 ドールとなった契約者は心を消失する故に、一般生活すらまともに営めなくなるらしいです。銀も最低限の生活が出来るようにプログラムは流し込まれているし、警察の天文部に至ってはドール達を完全に管理しコントロールする事で観測霊を自在に操って情報収集に利用しているようです。
 その扱いにおいて、那美がドールそれぞれの個性についてちゃんと見てくれているのが救いと言えば救いですが。
 ほんとに設定的にも、「使い捨て」なんだ、と言う事が画面から伝わってくるのが良かった。



 次回は後編。果たして黒は銀を救える事ができるのか。はたまたあるのかサービスシーン!?