第6話「赤いオートマトン」

 サッチーを操るハラケンを大人達の回し者だと思い、彼を調べ始めるヤサコとフミエ。しかし京子がついて来てしまい……。



 今回はヤサコサイド抜きで、ハラケンとサッチーに関するエピソード。
 ハラケンがサッチーを操れるのは、研究のために大黒市の電脳管理局に勤める「おばちゃん」から命令できるようにしてもらったから。しかし、操れるのは一分間だけで、しかもごく限られた命令しかできない。
 ハラケンが電脳生物について研究するのは、幼馴染であり去年死亡したカンナのため。
 カンナは電脳ナビで制御された絶対安全のはずの車にひかれて死亡した。カンナの不注意で片付けられた事件は、実はイリーガルのせいで電脳ナビが誤作動を起こしたからではないかという疑いがあった……。



 ハラケンのバックボーンが語られ、ヤサコ、フミエがハラケンの研究に協力する事に。
 しかしハラケンの事件もイリーガル絡みとは。
 そしてサッチーはイリーガルに対する対処と、その後にひかえる大きな何かのためにハラケンの「おばちゃん」である玉子によって導入されたようです。
 ちょっとでもバグがあれば即修正。捜索範囲の狭さは四機のキュウちゃんでカバー。
 自由な電脳ライフの天敵たるサッチーの顔が郵便局の「アレ」そのものだと思ったら、あれは郵政局の担当だったのか。しかも神社やお寺に入れないのは、何の事は無い縦割り行政で管理外だから……。
 あ、意外と理由が生臭い(笑)。
 郵便局がかぱっと開いてサッチーやキュウちゃんが現れるのはシュールの一言に尽きます。



 バイクの女性が大黒市電脳管理局の客分であり、若い女性(十七歳!)と言う事に驚きました。中盤で胸が見えたので女性かとは思っていましたが、想像以上に若かった。「おばちゃん」と花屋のおばちゃんにすっかり先入観を植え付けられました。
 ヤサコも彼女には警戒していそうな様子でしたから、ヤサコが連絡していたのは彼女ではなく、むしろ敵のような関係なのかもしれません。
 しかしあんな美人に迫られて動じないとは……ハラケン大物!……って、あの年齢で反応されても、その、何だ。困りますが。
 実はヤサコの父と上司部下の関係。ヤサコ同様、父も苦労してそうです。



 サッチーに電脳生活を阻害され傷ついたフミエ。イリーガルを放置しておく事が、事故の際被害者のせいになってしまう社会システム。
 メガネの電源を切ったの一年ぶり……など、今よりの進歩した近未来の電脳社会の描き方と、 妹、京子のように妹が姉についていく時の心境のように現在と変わらない妹の感情を描く事の退避が非常に巧かったエピソードでした。