『獣拳戦隊ゲキレンジャー』修行その16「ジリジリ!臨獣拳、課外授業」

 海の拳魔・ラゲクが甦った。理央は彼女から合気の技を学ぼうとするが、彼女はむしろメレの方にこそ強くなる可能性があると語り、理央に毒を打ち込む。
 これを解毒するには、ラゲクが指名する相手とメレが戦う必要があると言うが……。



 拳聖・拳魔の登場で、獣拳の歴史の一端が紐解かれた今回。
 動物師匠達の魅力的なバックボーンと、さらにメレの「ラブウォリアー」に恥じぬ戦いっぷり。今週も観ていてお腹一杯なエピソードでした。
 あと人格疑われそうですがあえて書きます。
 メレのコスチュームに、どっきどっき! 見える見える!



 そんなわけで今回明かされた獣拳の歴史を軽くまとめると、

獣拳を極めた拳士が十人いた。

その内三人が「拳魔」を名乗り、自らの獣拳を「臨獣拳」と名付け「臨獣殿」を創立。

残った七人は「拳聖」と名乗り、自らの獣拳を「激獣拳」と名付け、死闘の末、「拳魔」三人の肉体と魂を別々の場所に封印した(魂は拳魔の腕輪に、その後怨霊と化す。肉体は結界を張り封印)。

この封印による呪いで、「拳聖」達は動物の姿になってしまった。

この戦いは「激臨の大乱」と名付けられたが、この戦いが起こったのはもはや後世に語られぬほど昔の話である。

と言う事になります。
 その後、激獣拳を学んでいた理央がマスター・シャーフーの元を出奔し臨獣殿を再興。メレを甦らせ戦力を増やし、そして修行その1に続く……。と歴史は続いていきます。
 

 それにしても、十人の拳士達の紹介シーンで、未だ登場していない師匠達が人間で補填されているセンスが凄い。『名探偵コナン』における黒タイツの犯人並のハイセンスです。

 
 激獣拳側に未登場の拳聖が四名。臨獣拳側に大地の拳魔と、今後五人もの個性的な師匠達が登場する事を考えると、非常に楽しみ。 


 プロデューサーのカラーのせいか、『マジレンジャー』に引き続いて濃い過去設定。拳法ものの基本ストーリーは「復讐」なので、逆にこうやって後ろ暗さすら感じさせる方がいいのかも知れません。
 おそらく「不闘の誓い」や拳魔の結界に干渉できないのも、この呪いが関係しているんでしょう。
   

 それにしても気になるのが、マスター・シャーフー達の年齢。一体この人達、何歳なんだろう……? 
 仮に「激臨の大乱」から生き続けているとするならば(そうなんでしょうが)、修行・苦行の末に不老不死の仙人になると言うのを連想します。
 しかしあれはあくまで人間が人間のままより上位の存在を目指すのに対し、人型獣の師匠達はいわゆる位の低い「妖仙」(孫悟空が代表的)なわけで……。
 その辺りを突き詰めていくだけで、映画一本ぐらい取れそうです。
獣拳戦隊ゲキレンジャー 激臨の大乱編』とか。 
 獣拳の内部分裂を縦軸に、マスター・シャーフーとラゲクの恋を横軸に持って行けば、凄く濃い作品になるような気がします(笑)。



 そしてメインは臨獣殿側のドラマ。
 巨大ロボにすら妖しい絡みを見せるラゲク。愛のためにその身を滅ぼしても戦うメレ。そして、メレの愛に答えたと思いきや、実はメレの強さにジリジリ=嫉妬していた理央……。
 メレを真正面から抱きしめた時、思わず乙女のポーズでメレの恋の成就を祝ったものですが、嫉妬かよッ! そんな修行方針だからマスター・シャーフーにも逃げられるんだよラゲク(ヲイ)!
 これまではカタを師匠としてストーリーを進めていたため、メレがいまいち脇にやられていましたが、カタからそれ以上に性格の悪い女性のラゲクに師匠がチェンジ。
 理央、メレともに臨獣殿パートがさらに贅沢になってきました。
 でも一つだけ。
 ラゲクの臨気に反応する毒を「それ以上の臨気で打ち破る」って、それはただ死亡を早めるだけなんじゃないの!?



 一方、仕方の無い事ですがちょっと割りを喰っている激獣拳サイド。
 今回はラゲクの新たな脅威と、理央の強さにゲキレンジャー達が気を引き締めなおすと言う意味合いが強いので正しい事ですが。
 レツのモテっぷりに、「昔はモテモテじゃった」と対抗しちゃうマスター・シャーフーがかわええ。
 しかし、「女心を理解するのは激獣拳を習得するより難しい」って……。それはむしろ、エレハンあたりが言うべきセリフです(笑)。
 でもエレハンは何気にモテそうな気配がするんだよなー……(ぇ)。バット・リーは、ほら。ムッツリ(コラ)?
 マスター・シャーフーに「魚とか猫じゃらしとかか?」とか言うジャンがさり気無く酷い。


   
 次回はいよいよ第四の拳聖・シャッキー・チェン登場!