『獣拳戦隊ゲキレンジャー』修行その12「ゾワンゾワン!臨獣殿、修行開始」

 実に三週間ぶりの『ゲキレンジャー』感想。
 今回は、理央の修行開始と、激獣拳と臨獣拳との師匠のスタンスの差が明確に表されたエピソード。



 三拳魔カタのリンギにより、自身の悪夢の世界で蹂躙される理央。
 しかし自らの悪夢を喰らうと言う「臨獣殿の歴史上そんな奴はいない」とまで言わしめた実力を示し、見事に新たな力を身につける。
「三拳魔を一週間で使い潰すのか!?」とまで思わせるほどの圧倒的な実力を見せつけた理央。
 あえてカタを「マスター」と呼び、いずれは師匠越えする気は満々。こんな圧倒的な才能と野心を見せつけられたら、そりゃぁメレだって惚れちゃってもんです。
 カタに「何だこの醜いリンリンシーは?」とまで言われてむっとしたり、理央が悪夢の中に引きずり込まれた時には戦いを挑むなど、彼女の愛には実力差すら関係無い所に燃える。




 そして、実は顔見知りで「あんたら何歳?」とツッコみたくなるシャーフーとカタのスタンスの違い。
 マスター・シャーフーは「暮らしの中に修行あり」と日々の生活の中に修行を見出し、片やカタは「死闘の中に修行あり」と弟子を自らの糧と見なしている。
 そこにあるのは他者に対する尊厳への理解差であり、それぞれの流派が相対する決定的な断絶を見せ付けられた感があります。
 マスター・シャーフーの三拳魔復活の対策があまりにザルだったり、流派のスタンスさからヌルイと批判を受けているシャーフーですが、むしろ作品の本質が「日々の修行により高みを目指す」事にあるならば、下手な陰謀めいた対策は逆に作品のカラーにあってないような気がするんですが……。
 まぁあくまで自分が『ゲキレン』好きだから今のままでオッケーって事で。



 今回の対戦臨獣拳士は、臨獣イール拳のナギウ。
 ヌメヌメの体でどんな攻撃も跳ね返すぞ! って拳士ですが、その能力から、以前ぬめりで問題になった某格闘家を思い出して不謹慎にも大笑い。
 彼も臨獣イール拳の拳士だと言えば、批判や問題を許されたのかもしれないのに……(ヲイ)。
 このナギウ、ビジュアル面もさる事ながらスーツアクターさんのウナギのようなアクション演出などもさる事ながら、あのウルトラマンヒカリの声優も務めた難波圭一氏だと言う事も知って驚愕。改めて戦隊怪人の魅力は、様々なファクターによって形作られるものだと言う事を確認させられました。
 


 そしてナギウに対する修行は、銭湯での手ぬぐいヌンチャク!
 理央に対してヌルイだとか言う前に、「あぁ、昔やったやったwww」と言う共感で一杯になってしまった。あんな風に自由自在にタオルを操る事を夢見て、幼き自分も修行を重ねたものです(ヲイ)。
 いつの間にか銭湯の番台やってるエロファン、もといエレファンの存在感もばっちりで、こういうギャグが激獣拳側の最大の魅力ですね。



 次回は新たな動物師匠登場!