『ロミオ×ジュリエット』第3幕「恋心〜残酷な悪戯〜」
キャピュレット家再興の旗印として祭り上げられるジュリエット。その頃、赤い旋風を知る医者が協力者と言う名目で捕らえられ……。
今回のメインは、ジュリエットがロミオが倒すべきモンタギューの息子だと知ってしまう事。ジュリエットは元より、ロミオ側もそれぞれ互いに「会いたい」と言う恋心がどんどん高まっていっているだけに、それはなんと言う残酷な悪戯なのか。
こういう部分は、脚本の吉田玲子女史の巧いところですね。
モンタギュー、キャピュレット、市民。三つのそれぞれの内憂が明らかする側面を持つ今回。
市民を葡萄に例え搾り取れるだけ搾ろうとするモンタギュー。ロミオの友人もモンタギューのスパイであり、母も城を出ている事から、ロミオは城内に孤立無援。
ただ家督を継げる歳=十六歳になったからだけで旗印に掲げるのは残酷だと思いや、ネオ・ヴェローナを取り戻す事以上にジュリエットを堂々と生きさせると言う目的がある。モンタギューによる娘狩りが今なお続き、男装だけでやりすごせるとは無理があるせいで。
市民は市民で医者が配給活動などを行ってるような善意の存在に対し、神父が情報を売るなど酷い状況。まだそうだとは決まってませんが、おそらくはそうだと。
後半ではそれらの流れがどう潰え、また続いていくのか。
今回の白眉は、ロミオと赤い旋風の戦闘シーン! 剣戟のアクションもさる事ながら、ひるがえるマントが、もう何とも……!
マントはいいものだ……。