フィリップ・リーヴ『移動都市』
- 作者: フィリップ・リーヴ,安野玲
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/09/30
- メディア: 文庫
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勘任せで購入したのに、予想外のおもしろさでした。
以下ネタバレ感想。
文明が荒廃した最終戦争から一千年以上経つ未来。
世界はキャタピラを履いた都市が移動を繰り返しながら、他の都市を文字通り喰らう都市淘汰主義が支配する、と言うイカレた世界観。
これだけでも面白いのに、そこにボーイ・ミーツ・ガールを組み合わさったならもう怖いものなど何も無い、的な出来のよさ。
しかもヒロインが、スカーフェイスの復讐にひた走ると言う設定で、もうどこのツンデレなのかと小一時間問い詰めたい。
そしてこんな素敵な小説を世に出してくれて、ひたすらありがとうと頭を下げたい。
ツンデレはもはや世界の共通言語かっ!? と言わんばかりのツンデレっぷりでした。
そういえば『ゲド戦記』もこういうタイプのヒロインでした。海外では、こういうヒロインは普通に認められてるんでしょうか。
複雑な設定や伏線はありませんが、その分いいペースで読んでいけるスピード感があります。
しかも、四部作のうちの一冊目。是非、全シリーズを出版して欲しいと思わせてくれる一冊でした。