『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』

 シリーズ40周年に相応しい傑作。オマケの人形もしっかり貰ってきました(笑)。
 パンフレットも、パンフと言うよりは『メビウス大百科』みたいな構成になっているのが芸が細かくて素敵。さすが『てれびくん』編集は一味違います。
 以下ネタバレ感想。
 今回の作品のテーマは、「神ではなくても、信じる勇気を持って最後まで諦めない」と言う事。
 今までGUYS隊員として、ウルトラマンとして怪獣から地球を守ってきたと言う自信があったミライ。
 しかしその裏で、人一倍ウルトラマンやGUYSに憧れていた少年タカトを傷つけていた事が明らかになる。
 怪獣を前にして、飼い犬を見捨ててしまったタカト。そんな少年のために戦うメビウスの前に宇宙人連合が、そしてヤプールの怨念である究極超獣Uキラーザウルスが襲いかかる!
 ミライとタカトの二人を軸に、ウルトラ兄弟に、宇宙人連合の狡猾さ、Uキラーザウルスの圧倒的な戦闘力を絡めた
エンターテインメントとしても一級の出来になっています。

  • OP

 『ウルトラQ』『ウルトラマン』のあのぐにょぐにょしたOPと『メビウス』の光輝くOPの融合に大興奮。劇場版でもメビナビをやってくれるのも素晴らしいですスタッフさん! あの全然秘密じゃないのに挑発的なナレーションが素敵。

  • GUYSメンバー

 今作はウルトラ兄弟メインなのでGUYSメンバーの出番は少なかったです。しかしサコミズ隊長がニセメビウスの正体を「よく見ろ。目つきが悪い」で見破ってくれたのは流石(笑)。

 ほとんどの力を封印に使用し、地球人として生活しているウルトラ兄弟
 それぞれのナイスミドルっぷりと先輩っぷりに血圧が上昇した。ほんともう、年の重ね方がいいのです。あの風格と優しさは、役者さんの圧倒的な演技力と言うか、存在感が凄くないと出ないよなぁ。

  • 宇宙人連合

 豪華声優陣とスーツアクターさんの怪演に支えられたあの圧倒力! これぞまさに侵略者の風格。これさえも使い捨てる扱いなのだから、Uキラーザウルスとヤプールの強さが衝撃的になるんですね。

 今回CGパート一番のメインとも言うべき板野サーカスウルトラ兄弟たちとUキラーザウルスの圧倒的な戦闘能力に大いなる説得力を与えています。縦横無尽に飛び回りながら次々と光線技を繰り出すウルトラ兄弟の迫力はまさに圧巻。
 Uキラーザウルスの触手や、テンペラー星人の羽の描写などもウルトラ兄弟並に気合入ってて良かった。

 ヤプールの怨念を解放しようとした宇宙人連合でしたが、すべてをヤプールが利用していたという恐るべきオチ。
 ナックル星人なんて使い捨てさー! さらに最後の最後でアヤを人質代わりに使うところなんて、もう悪役街道まっしぐらって感じでたまりません。

 個人的に嬉しいのは、デザインラインが『ネクサス』系の硬質なものを受け継いでいるところ。
自分は『ネクサス』大好きなので、こういうデザイン上の類似だけでも嬉しいです。必殺技があっさありめだったのも、まぁいいです(笑)。

  • エンドロール

 歴代ウルトラ映像で、平成シリーズもすべて含まれていたのにはもう感動するしかなかった。『ネクサス』、観てますか!?
 ウルトラマンがスーツで正装して、役者陣と記念写真撮っているのに大笑いした。
 ここまで「『ウルトラマン』って作品は作り事なんだよ」と大声に言っているのに、それが全然嫌味じゃなく心地よいスパイスになっているのもすばらしい。


 とかく素晴らしい映画でした。是非二作目はGUYSメンバー大活躍編をよろしくおねがいします!