荻原規子『西の善き魔女Ⅱ 秘密の花園』

 読書マラソン2・三十三冊目。

西の善き魔女〈2〉秘密の花園 (中公文庫)

西の善き魔女〈2〉秘密の花園 (中公文庫)

 以下ネタバレ感想。
秘密の花園』から連想されるように今回のフィリエルの舞台は女学校。
 女の子ばっかりで華やかな「ごきげんよう」な世界はどこへやら、女性同士特有の陰険な争い、女王候補二人が学園の生徒達を使って繰り広げる暗闘・陰謀が繰り広げられます。中途半端な時期に入学してきたフィリエルの素性を確かめるためにいいなり服を脱がせようとしたり、決して本心を明かそうとしない女性同士の戦いに男はガクガクブルブルです。
 しかもこの女学校、国の政策自体が、女王をトップにした女性による<外交>中心なので、誘惑の講義があります。怖っ! 世の女性方はみんなこんな事考えてるの!? 
 今回男連中(主にルーンとユーシス)は、アデイルのやおい小説のネタに使われて、最後のオチを掻っ攫っていきました(笑)。
 アデイルは物語による空想の自由で階級の垣根をどうにかしようとしているようですが、それがやおい小説である理由は、趣味なのか、女系社会における有効な戦略なのか、自分にはいまいち分かりませんでした。
 でも、ちょっと読んでみたい衝動には駆られました(笑)。