荻原規子『西の善き魔女Ⅰ セラフィールドの少女』

西の善き魔女〈1〉セラフィールドの少女 (中公文庫)

西の善き魔女〈1〉セラフィールドの少女 (中公文庫)

 読書マラソン2・三十二冊目。
 思い切って大学ブックサービスで全巻購入してきました。まるマラッシュなみに続きますよー(迷惑)!
 以下感想。
 まず凄いのが、文章を読んでいて画面が思い浮かべる事。フィリエルが体感する冷たさや荒野の荒涼さ、星々の輝きなんかがリアルに頭の中で浮かび上がる、そのリアルさに思わず溜息。こういう文章を描けるという事に、強い憧れを感じます。
 また、主人公であるフィリエルが高貴な人々に対面してしどろもどろになってしまう普通の少女っぽさと、一旦胆を決めた時の行動力、常に未来を向いてる姿勢を持つと同時に、
ルーンを案じて食事もできない弱さを併せ持っているある種の健全さに魅力を感じます。
 いやまぁ、一番の魅力は男は馬鹿ぞろいで女性が強いところですがね(おい!)。
 そして現在一番の注目株はアデイル。女王候補にしてファンタジー世界内のやおい同人作家という凄まじい彼女の行く末が気になって気になって(笑)。