『仮面ライダー THE FIRST』

 本日公開のライダーファースト。今や不満の井上脚本白倉Pコンビだったんで、ちょっと不安だったんですが、観た途端そんな不満は吹っ飛びました。 これ傑作。蝶傑作! やっぱり、最初っから徹頭徹尾好き勝手にやらせたら、完成度はダントツですね(ヲイ)。スタッフの皆々様が仮面ライダーっていう作品に敬意を表して細部にまで小ネタを効かせてくれていて楽しめます。
 やっぱりちょっと尺が足りなかったり時系列が分かり辛い所もあったんですが、そんな事はいささかも気にならない所はさすがの仕事。
 全三部作ぐらいにして続けて欲しいですね。第二部「ショッカーの逆襲」。第三部「ライダーの帰還」みたいにw
 以下本能のままに盛大なネタバレなので注意してください

 あんまり正義の味方サイドで言う事はないんですが(マテ)、やっぱり本郷猛と一文字隼人の関係性は観ていて燃えました。
 あすかを巡っての恋の争いの中で、二人に芽生えていく友情……と言えばなんかおかしいんですが。二人が並んで海辺を歩くシーンは、もはや十年来の親友といった風情でした。
 しかしこの一文字が、いやに井上脚本キャラなんですよね。強引に行ったり、「本郷を倒したら報酬としてあすかを貰う!」なんて幹部に啖呵を切る所なんかはまさにと言ったところ。っていうか、むしろ草加雅人っぽいです。原作でも、真面目な本郷に比べてちょっとヤンチャしてるのが一文字の魅力なんですが。
 しかし、何で一文字だけあんなに好き勝手に動いているのか……。改造手術でされた洗脳をされていないのか、元々そういう仕様なのか。と、パンフ読んでるとどうやら洗脳手術はされていない模様。それであれなんだから、困ったもんだ(笑)。
 本郷はぐいぐい引っ張っていくリーダータイプというより、ちょっと奥手な青年です。それだけに真面目で、ツッコむところが無いんですが(ヲイ)、さすがおいしいところはしっかり持っていきます。見た目に冷静に見えても、キレたら手をつけられないのが本郷です。
 それにしても、おやっさんの出番が少なかったのにはちょっとがっかり。
 後、目が光るのとダブルライダーキックには素直に燃えました。

  • ショッカー編

 素敵過ぎて言う事が無い……(溜息)。秘密結社とか言っておきながら、秘密の意味を分かっていないかのように堂々としているショッカーが素敵だ。
 さらにショッカー改造人間達の笑いあり(?)涙ありの怪演も光ります。
 態度の悪いタクシー運転手のスパイダーは夜中とは言え堂々と車を襲撃したり、真昼間にターゲットをタクシーに乗せて殺そうとするしで、コイツがまったく忍ぶ気が無いw
 本郷猛を誘拐しようとするバット=津田寛治の演技が光ります。薔薇の花束を持って誘拐ってなんだ! 高笑いがナイス。
 本編のもう一つの物語がコブラとスネーク=晴彦と美代子。この二人だけで外伝丸々一本作れそうな気配です。美代子の健気さは、お約束だけど泣けます。それにしても、ウエンツ瑛士はちょっと情けない男を演じさせたら天下一品だ!(マテ)
 何よりショッカーと言えば外せないのが戦闘員。本作では戦斗員と表記です。ビジュアルはサイボーグ009のサイボーグマンですが(ガスマスク装着)「イーッ!」と鳴いたり、バイク部隊が登場したりとポイントは高いです。
 さらに幹部の一人に死神博士が登場! 名前は出ていませんが、明らかに死神博士! って喜んでたんですが、ご本人はすでにお亡くなりに……。イカデビル登場は無いのか……。
 

 全体的にショッカー陣の演技はハイレベルでお腹一杯。

  • 小ネタ編 

 OPが『レッツゴーライダーキック!』! 途中までだったけど、これがかかった途端背筋に鳥肌が立った。ちょっと感動。
 やっぱりOPでバイクジャンプ。原作そのままのライディングに鼻血を吹くかと思った。
 アクションが全般的に超星神シリーズっぽかった。あれはあっちが昭和テイストをとりこんでいるからかな?
 本郷猛を誘拐するときに、目の前を塞いでいる戦斗員がものも言わず拍手。物凄い不気味。
 改造手術のドリルが凄い痛そう。っていうか、麻酔の一つもかけてないのに頭に迫ってくる!
 よく分からないのがライダーや改造人間達の変身プロセス。頭部のマスクを装着するのはともかく、スーツの部分はどこから出てきてるんだろう……? まさしくショッカーの科学力は世界一ィィィイイッ!
 そういえばそのショッカーの正式名称はSHOCKER=Saced Hegamong Of Cycle Kindred Evolutional Realm(同種の血統による全体の、神聖なる支配権)らしいです。デザインの出渕裕が考えたもので公式ではないらしいんですが、こういうのが好きな自分としては大満足。
 EDの最後に、ショッカーの戦斗員が「イーッ!」と叫ぶ(笑)。
 いやもう最後のこれだけでも観に行ってよかった!