『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』FINAL PHASE「最後の力」

 ついに最終回を迎える種デス。少なかった種ファンも見放したストーリーが、ついに完結。

 いきなりカガリがワンカットだけと言うのが切ない。前作では色々頑張っていたのに……。
 イザークは「あれはザフトの艦だから」と言い訳をつけてエターナルを援護。まだエターナルはザフト船籍なの!? それを見越してのエターナル保持なのだとしたら……ラクス、怖い娘!
 シン&レイ、キラ&アスランの乱戦はキラ対レイ。シン対アスランの図式へ。

  • Sフリーダム対レジェンド

 双方ともドラグーン装備の機体なのでひたすらビームを連射してるんですが、これが両方とも当たらない!これを見てると、大気の無い宇宙ではビームの威力は減衰しないとか、そもそもビームって光の速さじゃないの? というのを忘れてしまいそうになります。
 でも、ほとんど使いまわしなんだよな……。
 クルーゼとほとんど同じ事を叫びながらキラに襲いかかるレイ。新しい世界のためにほとんどキラと自殺する覚悟。デスティニープランでのレイの役目は、どうやらシンの導き役という所か。古い世界を新しい世界に変革するための礎になる覚悟らしいです。
 しかしそんなレイも「レイ≠クルーゼ」の理屈でキラに敗北。
 キラはミーティア装備でメサイアを破壊後、内部へ侵入。

 アスランと戦うルナマリアですが、実力差はもはや歴然。
 足ビームサーベルキックやシールド内ビームブーメランと、最終話にして使用頻度が少なすぎる武装で手足を切り落とされるインパルス。
 しかし個人的には、舌戦ではルナマリアが勝っていたものと、小生固く信じております(誰だ)。
「よくもメイリンを!」とか(これは本人の意思ですが)「逃げるな!」は、ルナマリアアスランに対する最高の一撃かと(笑)。逃げるな!
 そんなインパルスの前に、デスティニー=シンが駆けつける!話を聞かないシンに「過去に捕らわれて未来まで殺すのか!?」と諭されるシンですが、「難しい事考えられるかー!」とばかりに種割れしてアスランを押し切った! 
 掌ビームを放とうとした瞬間、∞ジャスティスの前に割り込んできたのはインパルス!
 止めようにも止められないタイミング。ルナマリアと、おそらくはシンをも救ったのはアスラン
 シンの得意技「キレる」に対して「逆ギレ」を使用して、デスティニーの手足をバラバラに。
 あぁアスラン、そんなにキラにセイバーをバラバラにされたのがムカついていたとはお父さん知らなかったよ!(涙)
 アスランミネルバ破壊後ムウと共にシールド突破しレクイエムを破壊。これにて出番終了(ぇ)。
 そして、シンは……。

 アークエンジェルミネルバの戦いは撃ったり撃ち返されたり。アークエンジェルはゴットフリートと潰されるも、バレルロールでミネルバの頭上を取り武装を破壊。
 その後、これが最初にして唯一の出番となったファトム-01の先端ナイフでミネルバはエンジンを破壊され戦闘終了。グラディス艦長は艦を降りて議長の所へ。マリュー艦長の敬礼が寂しいなぁ……。

  • 議長の結末

 ネオジェネシス、レクイエムの二連射で艦体殲滅後、オーブを撃って戦争を終結させようとする議長。しかしザフト軍という駒の一つであったはずのイザークアスラン達により計画はことごとく失敗に。
 破壊されたメサイアで始まるのは、レイ、グラディス艦長を交えたキラとの問答。
 結局、問答は平行線を辿るまま、議長はレイの放った銃弾に倒れる。
 グラディス艦長は議長、そしてレイと運命を共にする道を選び、キラはメサイアを脱出。
 三人が最後に寄り添った姿は家族のようで、ここはある意味で唯一と言っていい切ないシーン。
 何にしろ、最も孤独な戦いを続けていた議長に、幸せが訪れて何より。
 ……のはいいんですけど、グラディス艦長と一緒になれなかったという理由だけでここまでやれるとは、議長は凄まじいなぁ。
 あのシーンにたどり着くために、一体何人死んだ事か……。
 なんかこうして書くとやはり議長も種デスのキャラだったんだなーと間違ってた方向で納得です。

  • 驚愕のエンディング

 何と、最後は「君は僕に似ている」がバックにして、最後に登場するMSは何とグフ! モノクロ回想エンディング(別名連続死亡絵巻)後、最後の最後はくるくる回りながらエターナルから出撃するSフリーダム!
 こ、これでいいのか機動戦士ガンダムSEED DESTINYー!?

 最終話にして主人公としての存在意義を完全に失った我らがシン・アスカ。ここまでくると、もはやその存在意義を失う事がこの男の仕事だったような気がします。
 戦争によって家族が死亡するという、本来なら自分の力ではどうしようも無い出来事に怒りを感じて。
 その怒りを他人に押しつけるだけ押しつけ八つ当たりを繰り返し、他人の言葉に耳を傾けることもせず。
 自分では何も考えず、周囲の賞賛、議長やレイの言葉に流された挙句にルナマリアを殺しそうになり……。
 羅列していけば羅列していくだけ駄目なところばかりの主人公、それがシンなのですが。
 理由はともあれ、その他大勢のために怒れるのもシンのいい所なわけで。
 ステラとの精神世界シーンでもあるように、大切なものは「あした」であって、過去では無い。
 自分が危うく摘み取りそうになったルナマリアと抱き合う事でやっとそれを自覚できたのではないかと。
 そしてこのストーリーは、過去から五十話かけてシンが脱却していく、主人公不在のストーリーなのではないかと思うのです。
 きっとシンは、この後戦争の虚しさに気がついて、力によってではない、誰かの「あした」を守る道を選んでくれる事でしょう。
 

 ……と変な方向へ自分を持っていかないと、自分が駄目になってしまいそうな気がするのでこういう方向にまとめておきます(笑)。てか、シンって前作におけるイザークと同じ立ち位置だよなぁw
 いや、色々ありましたが、全体的に楽しい一年間でした。さよなら種デス! みんな、シン・アスカを忘れないでね!