『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st』
第一感想
見に行って来た。
実は平日の朝一番に映画館に行って「これでゆっくり見れるぞ!」とか思っていたら、後から後からぞろぞろ人が入ってきてちょっと絶望した!おまけに、一目で自分と同類と分かる人達ばかりで……。
自分が言えた義理では無いが、みんなどうしてここにいるの!? 今日は平日だ!
そう言えば、噂のリピートポイントカードはゲットし損ねた。くっ出遅れ過ぎた……orz
以下ネタバレ感想。
ストーリー
本編をなのはさんとフェイトの出会いに絞って再構成。さらにドラマCDや小説版のエッセンスも加わった完全版で、鑑賞中、「これどこの本編!?」と驚いた。
特筆すべきは、フェイトサイドの分量の多さ。
なのはさんのエピソードはフェイトと出会いとコミュニケーション(魔法と言う名の肉体言語)と言う現代進行形の話であるのに対し、フェイトのエピソードは過去編が充実。
テスタロッサ一家の悲劇を、フェイト、リニス、プレシア、アリシアと全員の視点で描いた肉厚なものになっている。
そのせいか、なのはさんの幼少時代の孤独はほんの一瞬しか描かれなかったが、今回の映画の分量的にはそれが正しかったと思う。今回の劇場版は、塔の中の王子様(フェイト)を助け出す白馬に乗ったお姫様(なのはさん)って感じだし(笑)。
キャラクター/デバイス
なのはさん
アニメ三期分の解釈が小三時代のなのはさんにフィードバック! これすなわち無敵なりィッ! 勝てない! 誰が勝てるってんだこの人に? この散様レベルの格の違いが凄い。
多分、ティアナとかにこの映画を見せてはいけない(ヲイ)。
まだこの頃は技術や魔法よりも「勇気」や「気持ち」が先行しているなのはさん。だが、その結果があのディバインバスターだったりスターライトブレイカーだったりするのだから困りすぎる。画面がピンク色に染まったあの瞬間、世界の終りが来たのかと思った。あのチャージ時の絶望感と来たら……。
そして相変わらず、思考が少年漫画の主人公も真っ青の男前ぶりで困る。互いのジュエルシード全部賭けで一騎打ちなんて、それはどこの『アカギ』思考?
レイジングハート
パンフレットの設定だと、とんだ謎設定のレイジングハート。もうこいつがロストロギアか何かでもまったく不自然では無い。
なのはさんは本人の性格があってこそのなのはさんだが、それを大幅に後押ししたのかコイツだと再確認できたのが今回の劇場版。断言させてもらうと、なのはさんの物騒さは全部ここから始まった。
新バリアジャケットのデザインだとか、デバイスモードのデザインだとかにそれが顕著。魔法の杖にトリガーがついていたら、それはもう魔法の杖じゃねーよ! もはや別の何かだよ!
そして、『なのはStS』や『なのはViVid』におけるなのはさんの教育方針なんかも、レイジングハートのトレーニングが反映されてるなあと。
つまりあれだ。犯人はお前だ(何のだよ)!
フェイト
今回の劇場版における、囚われの王子様。フェイトを巡る過去のエピソードや、プレシアによる虐待等を見ていると、十分に救われるべきキャラクターだと思う。
そんなフェイトだが、やっぱり王子様だと思うのが最後のなのはさんに対するセリフ。
「君の手は温かいね」
なんて、並みの王子様じゃ言えません。さすがなのはさんの嫁。劇場版でも彼女の魔法は第一期よりパワーアップしていて、火力の面でもなのはさんには負けないクオリティなのが頼もしい。
バルディッシュ
刺々しいデザインに変更され、頼もしくなったバルディッシュ。セリフ自体は少なめなものの、フェイトの相棒として頼もしい存在感。
そんなバルディッシュだが、実は斧、鎌、槍と意外と悪役っぽい武装が揃ってるのが以外。フェイトと言えばザンバー系のイメージがあったのだが。あれは『A's』になってから、つまり正式に味方になってから、だったのか。
ユーノ/アルフ
共に魔法少女のマスコットキャラだが、互いになのはさん/フェイトを支える役としてしっかりお仕事をしていたのが印象的。
だが全体的には、アルフの方がドラマは濃かったように感じた。フェイトの事でプレシアに殴りかかったりと、印象的なシーンがあったせいか。
プレシア
別名、プレシア無双(何)。
今回の事件は彼女の経験した悲劇から始まった故に、彼女のドラマは何より印象的。
過去編でのアリシアに対する優しい母親としての姿から始まり、会社人として懊悩する姿。そしてリニス、フェイトに対する狂気と、なのはさん、フェイトに対する影の主人公でもあった。ある意味、はやての先輩みたいなキャラクター(ヲイ)。
そんな彼女、個人的に一番印象深かったのが、アリシアのカプセルに近づく管理局局員を素手で圧倒する所。「ちょwwwwあーたwwww」とリアルで劇場でツッコミました。
リンディ
僕達の驚き艦長リンディさん。何が驚きかと言うと、抹茶の飲み方。第一期以上にパワーアップした日本庭園演出と、プレシアの野望を止める姿のギャップが凄い。
クロノ
高橋さんボイスのクロノが帰って来たぞ! なのはさんとフェイトとの戦いへの割り込みがさらに印象的になった劇場版。
なのはさんとフェイトの先達として、魔導士としての技量も高い。例の決め台詞もばっちり決まっていた。
だが、だからこそどうしても派手なシーンに恵まれなかった事だけが悲しい。もう彼こそ第二期に期待ですよ! デュランダルで「イエス、ボス」!
武装局員の皆さん
劇場版でもあっさりやられてました。本当にありがとうございました。
変身シーン
大スクリーンで変身シーン!
本当にやったー! と、驚くやら呆れるやら喜ぶやら(?)。フェイトはともかく、なのはさんの初っ端からメカメカしいバリアジャケットに軽く絶望。いや、いい意味で、だけれども。これでカートリッジシステムが導入されたら、果たしてどうなる事やら……。
空戦アクション
もはや本編とは別次元の空戦アクションには、もはや息を呑むばかり。正直、この人達一〇歳いってないなんて嘘だろうとしか言う他無い。劇場版ならではの空戦は、注目必至!
音楽
主題歌、挿入歌、ED共に、本編同様印象的に使用されていた。だが個人的に一番だったのがラストで流れた『Little Wish 〜lyrical step〜』のインストだった。
音楽は皆新曲を作って使っているのに「そこでそれを使うかー!」と見事にスタッフさんにやられたのだった。
パンフレット
もはやパンフレットと言うか、設定資料集と言うかファンブック? これが本屋に売っていても、何ら違和感が無い所が怖い。
『リリカルなのは』シリーズの世界観や設定から、スタッフ、キャストのコメント。さらに出版社の枠を超えたリレーコミックも掲載されたお得な一冊だった。
次回作は?
てっきりED後に、
『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd』制作決定!
と、『コナン』とか『ポケモン』とか『マクロスF』よろしく出ると思っていたら、全然出なかった(笑)。さすがに、一足飛びでは無理かー。『なのはStS』は、確実に前後編になりそうだし。
次回作、さらにその次は、今回の売り上げ次第か。……よし、もう一回、見に行くかw