ときた洸一『SDガンダム三国伝 風雲豪傑編(2)』

 待望の『三国伝』風雲豪傑編第二巻。大量の書き下ろしページを加えた完全版での発売。その内容の充実ぶりに大満足!
 以下感想

ストーリー

 第三の侠・孫権の登場から天玉鎧・弩虎の発動。そして董卓との最終決戦までを。さらに書き下ろしとして、連載分では出番がさっぱりだった(苦笑)孫権陣営、中でも孫尚香を主役としたエピソードを収録。
 ラストは、いわゆる「俺達の戦いはまだこれからだ!」的な終わり方。この曹操との別れが、後の対決へとつながっていくのだと思うと興味深いと言うか何と言うか……。

感想

 いやあ熱血熱血。
 血湧き肉踊る戦国SDガンダムの魅力がたっぷりつまった一冊だった。各キャラクターの熱い叫びも健在! なお、この二巻あたりから、呂布が事ある如くに「魂ィ!!!」と叫びまわる妙なキャラクターに(笑)。
 孫尚香こと、尚香たん(笑)も大活躍! なんかターンエーのお嬢様(妹)的ポジションに……。

人意と天意

 戦いを宿命付けられている劉備曹操。その立ち位置の違いは、劉備が「人」に対し曹操は「天」となっているのも面白い。
 あくまで人々のために戦う劉備。それは董卓を倒した時のセリフにも現れていて、

「人々の心を尊ばぬオマエに三璃紗の王たる資格なしっ」

と、人の側に立って発言している。
 しかし曹操は、

「為すべきは正義、成るべきは天」

 に代表されるように、自分自身が「正義」「天」となろうと発言している。これぞ激突必至の信念闘争。「人は正義のみに生きるにあらず」と言う孫権劉備が手を組むのも、ある意味で当然の事なのだなぁ。

そして英雄激突編へ

 ストーリーは英雄激突編へ続く! 孔明の活躍は英雄激突編から!