『激突!蟷螂拳』

 忘れてなかったよ! 復活!『獣拳戦隊ゲキレンジャー』からアクション映画に触れてみよう企画、第二一弾。
 今回は『激突!蟷螂拳』。

 父親が清の大臣である韋風。文武に長けた彼は、皇帝から反政府派ではないかと嫌疑をかけられる名家・田老太に家庭教師としてもぐりこむ。しかし教えることになった田老太の一人娘・芝芝と恋に落ち、結婚までしてしまう。だが、彼が戻る期間が長ければ長い長いほど、皇帝により彼の家族は危険な目にあっていく。韋風は芝芝と共に家から脱出しようとするが、田老太とその息子達がその前に立ち塞がる。戦いの末、田老太に芝芝は彼の犠牲となって殺されてしまう。
 復讐を誓う韋風は、カマキリの動きに注目し、その動きを取り入れた新たな拳法・蟷螂拳を編み出すのだった。

 以下感想!

ストーリー

『ゲキレン』的には、修行その1〜2で登場したリンリンシー、臨獣マンティス拳のマキリカの元ネタになった拳法・蟷螂拳をモチーフにした作品。
 ラウ・カーリョン監督、デヴィッド・チャン主演のショウブラザース製作アクション映画。
 作品の基本ラインは「反清復明」。清王朝に不満を持ち、クーデターで明王朝を復活させようとする動きを、主人公が皇帝の命を受け密偵として探りにいく。
 それがまぁとても救いの無い、この手の作品の中でも屈指の後味の悪さを誇る一作。
 密偵先でそこの一人娘と結婚し、家から脱出するために妻を犠牲にし、蟷螂拳を身につけて復讐を遂行。しかし父自身が反清復明の考えの持ち主であり、同士の命を奪った息子と自分の命でその罪を償うためと、服毒死してしまう。
 いやもう、最後の最後でこのオチを目の当たりにした時ときたら……最後の最後まで油断できないとはまさにこの事。

アクション

 アクションは、実に豪華。
 ポケモンの四天王戦を思わせる関の番人との勝ち抜き戦では、それぞれが違う武器、アクションを駆使して魅せてくれる。

蟷螂拳

 メインとなる蟷螂拳は、ストーリーの都合上、最後の戦いまで登場しないのが難点と言えば難点か。しかし「カマキリの動きにヒントを得て生み出された拳法」と言う言葉に十二分に説得力を与える修行シーンは見所満載。特に、影でカマキリそのものの動きを身につけた事を表現するのはよかった。ケモノを心に感じ、ケモノの力を手にする拳法――と言う感じ(獣拳!?)。 
 地面から生えたタケノコさえ利用する、そんな業深いアクションと権力闘争をご堪能アレ。