第二十三話「取り替え児」

 竜を孵化させ、いつきの妖精眼を治すため、儀式の準備を始める穂波。彼女の望みを叶えようと協力するフィンの前に、アディリシアと隻蓮が立ち塞がるが……。



 今回は青龍、白虎、玄武、朱雀が増えに増えてぬっこぬこ! とか言ってられないシリアスな展開に。 
 以下感想。

 かつていつきの妖精眼が変質した原因となったものが竜。幼い頃の穂波が軽はずみにいつきを竜の卵の下へ連れて行ってしまったために、穂波をかばったいつきの妖精眼は変質してしまった。
 アストラルが封印したが、いつきが妖精眼を使うたびに少しずつ封印は解かれていった。
 天災と同義である自然霊としての竜。本来協会が管理するはずのものを、アストラルが独断で封印してしまった事が知れれば、間違いなうアストラルは倒産。穂波はタブーを犯した魔法使いとしての処分が待っている。
 まさにいつきと、そしてアストラル存亡を担う存在だった。

取り替え児

 日本で言うなら神隠し。妖精に別の世界に連れて行かれ、そこから戻ってきたものは心と体に何らかの影響を受ける。フィンは、いつき同様、妖精眼の持ち主だった。
 他人にすっと踏み込んでくるところは同じだが、その性質は正反対。いつきがおずおずならばフィンはずばずばと、言わなくていい事まで言ってのける。
 他人と違うなんて思っていないから、他人に居場所を示す事のできるのがいつき。
 他人とは違うから、居場所を求めるのがフィン。 
 その不気味さには、やはり「いつきとは違う!」と言う思いを起こさせる。自分達のいっちゃんは、もっと可憐だ(そんな事か)!

穂波とアディリシア

 いつきの妖精眼を治したい。その償いの心のために、一心にケルト魔術を復興させ、今、竜を生贄にしようとしている穂波。
 しかしアディリシアは、フィンの「アディリシアは魔法を継ぐ為の歯車であり、いつきに捧げられるものなど何も無い」と言う正確すぎる指摘に対して、「心だけはいつきのもの」と堂々と答える。おまけに、「人を好きになるのに理由なんか必要ない」と逆にフィンを斬り捨てる。
「白と黒のドレス」である意味同じラインに立った両者だけに、この二人の差は圧倒的。理由のある穂波と、理由なんて無いアディリシア。穂波は理由だけではない、幼い頃からの想いを取り戻せるのか。



 次回はいよいよ最終話! 三輪先生、最後の最後で取り戻したいのは青春ですかwwwww