『獣拳戦隊ゲキレンジャーキャラクターソングアルバム』

獣拳戦隊ゲキレンジャー キャラクター・ソングアルバム

獣拳戦隊ゲキレンジャー キャラクター・ソングアルバム

 本編(修行その39〜45)でも「キャラソン7番勝負」としてEDに使用されたゲキレンジャー+理央、メレ七人によるキャラソンアルバム。本当はもっと早く購入するはずが、伸び伸びになってこんな時期に。放送終わってる!
 以下それぞれの感想を。歌手の表記は歌詞カード準拠。キャラソンだけあって、まるでスクラッチ社が出したようなCDデザインがポイント。
 プロの歌――と言うより、それぞれのキャラがカラオケで本気で歌っている――と考えた方が何だかしっくり来る、と言う考え方はちょっと失礼か。でもそう考えるとより妄想の翼が広がって楽しいのですが。
 以下それぞれの曲の感想です。

漢堂ジャン・ゲキレッド(鈴木裕樹)『進めのススメ』

 先陣を切るのはジャンのキャラソン。ジャンらしく、明るく進んでいこう! と体で伝わってくる一曲。ジャンが歩きながら楽しそうに歌っている姿を思わず想像させる。

晴れでも雨でも
そうだ 迷わずススメ!

と言うフレーズは、ズシズシの宿命を背負いながら戦っていくジャンの姿勢そのもの。

宇崎ラン・ゲキイエロー(福井未菜)『Run』

 作詞を福井未菜さんが担当している一曲。タイトルもそのものズバリ。キャラソンと言うより、普通に昔のアイドルの曲のようだ……。いい意味で(笑)。

走り出した日が
今でも忘れられない
それが私の
スタートラインなの

 ランがマスター・シャーフーに出逢い、激獣拳を学ぶ事を決意した事を表すような前半。そして、後進へ語りかけるような後半がポイント。何だかんだで、一番弟子の教育に向いているのはランである事だし(他は……推して知るべし)。

深見レツ・ゲキブルー(高木万平)『Just make it out!』

 作詞をOP担当の谷本貴義氏が担当しているだけあって、歌詞とレツのシンクロが巧い。

大空の キャンバスに 探していた 俺の青

 なんて、まさにレツそのもの。一人称が「俺」である事だけが気になるものの、実際に歌声を聞けばそれも払拭。高木万平氏、相当男前な声。

深見ゴウ・ゲキバイオレット(三浦力)『Wandering Wolf』

 ブルース・ハープがゴウの一匹狼的な悲哀を表現している大人な一曲。……何だか、妙にゴウの小節が効いているのはここだけの秘密だ。

なくした時間を 取り戻す術はない
悔やむくらいなら 進もう
ここじゃない 何処かへ

 ゴウが失った時間の重さと、それを呑みこんで前に進んでいこうとする意志の強さと孤独が表現されている。

久津ケン・ゲキチョッパー(聡太郎)『そういうコトも あるだろよ』

 ……何て言うか、寅さん? を思い出す、そんな一曲(ぇー)。実にケンらしくグダグダで、ジャンとは別の意味で楽しく歌っているのが分かります。

男の価値は ギリギリの
やばいピンチに わかるのさ

 この辺りは、実にケンっぽいフレーズです。何だかんだで、いないと寂しいキャラクター、それがケン。

メレ(平田裕香)『ちぎれた羽根』

 ランのキャラソン同様、平田裕香さん本人が作詞を担当した一曲。ランのキャラソンは昔の清純派アイドルみたいな感じだったが、この曲はメレらしく理央(しかいない!)への愛を歌った艶っぽい歌。カメレオン拳のメレではなく、フェニックス拳のメレが歌っているイメージ。
 聞いていると、メレの生き様死に様その他諸々が浮かんできて、ちょっと平静では聞いていらない。

ねぇもしも私が星だったなら
あなたは光を求めてくれてた?
ねぇもしも私が雨だったなら
あなたは私を愛してくれてた?

とか、理央のトラウマや強さへの渇望に語りかけるメレの姿を想像するだけでちょっと涙が。

たとえこの体 滅んだとしても
光になってあなたを守るから

 なんかは、もはや死を覚悟していたとしか思えない……。

理央(荒木宏文)『黒き鼓動〜揺るぎない想い〜』

 キャラソンのトリを務めるのは、もちろん理央。キャラソンに相応しく、理央そのもののキャラクターを描いた一曲。

優しく! 激しく!
瞳閉じたなら
愛を捨てて獅子となれ!

と言うのは、最後の最後で愛を取って獅子になった理央の姿と対照的でニヤリ。ロンの作り出した理央と、人間としての理央とのギャップが冴えるフレーズ。
 特撮系のキャラソンと言うと評判悪いですが(大御所、気鋭の若手の起用が多いから)、スーパー戦隊シリーズは一年間のお祭りみたいなもの、こういうのも十分ありだと思うし、自分も楽しめた。皆様、ご苦労様です。