『ドラゴノーツ -ザ・レゾナンス-』第22話「襲来 -審判の時-」

 ギオ襲撃の後、不安な夜を過ごすドラゴノーツ達。トアの寿命が近い事を知ったジンは、自分に何が出来るのか懊悩する。
 一方、トアを救うためタナトスの後継者となったギオは、自分以外の地球産ドラゴンの間引きと言う逃れえぬ定めに従い、ノザキ達がドラゴンの卵と共に潜伏する電気街を攻撃する。



 タナトスが一気に地球の軌道上にワープで襲来してきて、いよいよストーリーもクライマックスへ。
 タナトスの後継者として他のドラゴンを攻撃し始めたギオ。ギオ本人の目的はトアを助ける事だが、そのためには自分以外の地球産ドラゴンをすべて殺さなければならない。
 まさに選定、間引きとしか言いようの無い行為だが、これが本来、宇宙を彷徨うタナトスの目的だったのではないだろうか?
 地球でドラゴンを育てる→育ったドラゴンを使い捨てのオリジナルドラゴン三体でタナトスの下へ導く→一番優れているものを後継者にする。
 と言う目的が。
 しかしそこに想定外の存在である人間が現れた。レゾナンスでドラゴンを自分達の欠落を埋めるような存在に仕立て上げ、タナトスが取り込むに相応しくない固体が生まれてしまった。
 そこで人間とのレゾナンスに汚染されておらず、また惑星一つを火に包むような強力な力を持つ能力を発揮したギオを後継者に直接指名した――という事ではないだろうか。
 そこでそもそもレゾナンスって何なのさ? と言う疑問がわいてくるが、本来タナトスが目的に応じたドラゴンを作り出す能力がレゾナンスだったのでは? と妄想してみる。
 タナトスは目的に応じて自在にレゾナンスを制御できるが、人間にはそれができず無意識に自分の求めるものになってしまった、と言う事かも知れない。
 しかしギオはそんなレゾナンスに汚染されてこそいないが、(言い方は悪いが)思い出に汚染されている。一年間穏やかに暮した思い出を捨てようとしながらも、捨てられないのがその証左だ。
 三人でシーツを干した。縁側で昼寝をした――と、ギオ達の出自を考えれば信じられない穏やかな日常。ジンとトアが二人で寄り添っている隣、一人で寝ている――とまぁ見ようによっては居心地悪そうな構図だけれども(笑)。それはそれで、穏やかで微笑ましい構図にほかならない。
 内心の葛藤を押し殺すギオだが、このまま死んでしまう――なんて事にならないのを祈るばかりだ。



 先週船から海へと飛び込んだサカキが、ジン達のいる島へと流れ着く。その口から、ラウムの謎や、本人の葛藤が語られる。
 サカキのしょんぼり肩を落としながら、それでも「ラウムは道具だ」と言い放つ姿。それでもやはりラウムが大切だと思っている事を見透かされたりと、サカキがどんどんおいしい男になっている。高圧的な中年が、その内面を吐露する姿ほど、たまらんものはないなぁ(コラ)。
 ジン達ドラゴノーツ隊員がレゾナンスによって救われたのに対し、サカキの場合はより深い葛藤に身を置く結果になってしまった。
 娘を殺したドラゴンが娘と同じ姿をしている。娘を奪ったドラゴンへの復讐のためにドラゴノーツを道具のように使いながら、しかしラウムを手元において隠し続けていたサカキ。
 それが娘のように非力な存在ならまだよかった。しかし火星の事件で、改めてドラゴンの脅威を思い知ったサカキはラウムを使ってドラゴン達を追い立てる(ノザキが廃棄したラウムの本体とコミュニケーター体のリンクが何らかの理由で切れていた、と言うのも判明)。
 しかし、疲弊していくラウムの姿に、つい父親のように、娘に手を差し伸べてしまう……。
 まさに矛盾の男、サカキ。ジンも大抵矛盾の男だが、サカキがやると途端に苦みばしって美味しいものになるからたまらないっ。若けりゃ突っ走っていけるけれども、年を食ってりゃ走れない。そこでの葛藤・苦悩・懊悩が、中年キャラの醍醐味だ。うむ、ラウムは趣味がいい(黙レ)。
 まぁそんなサカキの姿は、ジークリンデにかかれば相変わらず「小っちゃい男」ですまされるのだがwwwww
 抗タナトス因子を埋め込まれ苦しむラウムを、サカキは助けにいく事が出来るのか。 



 そんな思い悩む人々を尻目に、我が道を行き過ぎているのがカズキ。
 ジンが「ギオとは戦えない!」なんて言ってる横から「だったら俺と戦え! ジン!」と最高に空気が読めずに突撃してくるわ、ウィドーにジンが殴られたら心配顔になるわ、精神不安定すぎて困るwwwww
 ウィドーもすっかりそんなカズキ側について一緒に暴走気味になっていて、この二人は二人でどうなる事やら。まぁ、カズキの方がウィドーに「ひいて」しまって逃げてしまいそうだがw



 混迷する状況の中で、火星のマキナが目覚める! 人間とドラゴンの関係に大きな楔を打ったマキナの復活に喜び、活躍に期待するこの頃。
 ついでに、いきなり格好良くなったキリルにも(笑)。