『東方三侠 ワンダー・ガールズ』
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2006/12/08
- メディア: DVD
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新年一回目は『東方三侠 ワンダー・ガールズ』。
近未来の香港。三ヶ月の間に十八人の赤ん坊がさらわれるという事件が発生する。事件の担当になった刑事ローの妻トントンは正体不明の正義の女傑ワンダーウーマンだった。
ある日ローの上司である警察部長の息子も誘拐され、彼は賞金稼ぎのチャットに息子探しを依頼する。
この事件の首謀者は地下の魔宮に潜む皇后と呼ばれる怪人だった。皇后は皇帝になる資質を持つ赤ん坊を手下のサンに誘拐させていたのだった。
三人は時に対決し、時に協力しながら、皇后の野望に立ち向かう。
ストーリーはこちら。
修行その36「ムキュムキュ!怪盗三姉妹」の三姉妹は元より、多くの三姉妹(三人の美女)ものに影響を与えた『チャーリーズ・エンジェル』と同系列作品。
また拳聖の一人、ミシェル・ペングの元ネタになったミシェール・ヨー(ミシェール・キング)がサン役として出演しているのがポイント。
また吹き替え時の声優さんが田中敦子さんと、これまたミシェル・ペングと同じ。ここまで同じキャストをそろえると逆に凄い。と言うより、ある意味そういう「伝統」の域なのか?
アニタ・ムイ、マギー・チャンと言う有名なアクション女優が三人も集まった実は中々贅沢な一作。
今作の一番の特徴は、ワイヤーアクション!
トントンが電線の上を疾走。チャットがまたがったドラム缶の中にダイナマイトを投げ入れる→爆発で飛行。バイクが横向きで大回転だの、一目見れば忘れがたい馬鹿馬鹿しい映像が魅力。
しかし放送時期が一九九二年と言う事もあってか、映像が全体的に汚れていて荒い。一部シーンには、吊ってあるワイヤーが「見えていた」り……。
しかし、それを確信犯的に楽しむのがアクション映画における正しいスタンス……かどうかは個々人が決めて下さい。
また、皇后の刺客であるサンが「姿を透明化する事の出来る衣」をまとって「透明の刺客」を演じているのも視覚効果としては面白いところ。
もちろん、各女優の生身のアクションも醍醐味。回し蹴りが綺麗なんだ、これが……。
各キャラクターも、個々人とそれぞれの関係性がありと、意外と複雑なものになっています。
自分がワンダーウーマンだと言う事を刑事の夫には秘密にしているトントン。
賞金稼ぎのチャットは、十年前皇后の下で刺客として育てられていたが、脱走。その時の追っ手だったサンに見逃してもらって恩を感じている。
姿を透明にする事のできる衣の開発者である男を監視していたサン。衣は夜にしか使えない未完成品であり、完成したならば男を殺して衣の情報漏洩を防ぐために殺す事を命じられていたが、サンと男は徐々に心惹かれていく。
そしてトントンとサンは昔生き別れた親友だった。
と、それぞれに事情・因縁持つ三人。これらがストーリーを動かすものにもなっているのですが、それぞれの対立のせいでストーリーがあまり綺麗に回っていない、という印象も受けました。
しかしこう感じるからこそ、ラストでの三人の共闘が映えるのですが。
アクション映画であると同時に、武侠・伝奇的な映画でもあるので、残酷描写も多し。特に赤ちゃん死亡は観ていてキツかった。
また、魔宮の門番が斬られても殴られても痛みを感じない怪人で、切られた自分の指をくっつかないからって食べてしまうのです。さすがは人食いの国、中国よのうと無駄にビクビク。
色々不満は多いものの、最終的には楽しめた一作でした。続編もあるようなので、そちらも見てみようと思います。