『酔拳2』
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2006/12/08
- メディア: DVD
- この商品を含むブログ (12件) を見る
今回は『酔拳2』!
父と漢方薬の買い付けにいった帰りのフェイフォン。汽車に乗る前の税金の取立てから逃れようと外国人の荷物に紛れ込ませたはいいが、そこで謎の老人フウ・マンケイと荷物の奪い合いになってしまう。
そこには、中国の財宝をイギリス大使館を通じて国外に密輸しようとする陰謀が関与していた……。
ストーリーはこちら。
前作『酔拳』の続編であるものの、酔拳と父親以外は前作と設定、ストーリーなどがつながっていない単独作品になっています。
しかし前作の修行に励み、自分の名誉のために戦う若者だったフェイフォンに比べ、家族を重んじ、国の宝を守ると、どっしりと成長した姿を観る事が出来ます。
まぁそれも当然、第一作が公開されたのが一九七八年。第二作が公開されたのが一九九四年であり、前作から一六年後に公開された作品で、『酔拳2』当時ジャッキー・チェンは四十歳近いのです。
だと言うのに、自然に若者役を演じているのは、ジャッキーにそういう若者のイメージがあるからでしょうかねー。こういう永遠の若者的なイメージは、やはりジャッキーならではだと思います。
『ゲキレン』的には、シャッキー・チェンがそういうイメージですよね。
今作は、前回の「若者の修行」と言う個人の問題ではなく、「愛国的」な作品になっています。
列強の支配がじりじりと迫ってくる中国で、イギリス大使館が中国の国宝をいくつも密輸しようとする企みを阻む、と言うストーリー。
まぁ「ある」ストーリーなのですが、持ち出されるものの中に「玉璽」があるのはさすがに問題でしょう。密輸ってレベルじゃねーぞっ! 仮にも皇帝印じゃん!
『酔拳2』。「2」とつくだけあって、そのアクションのレベルの高さと過激さは前作以上にパワーアップっ!
大きく三つに分けられるアクションは、どれも一瞬の瞬きも許さない迫力あるアクションです。
まず、フェイフォンとフク・マンケイの汽車の下でのアクション。
特有のしなる槍とペラペラの刀による単なる突きあい斬り合いに終わらないまさに有機的と言うか、容易にベクトルを読ませない予測不可のアクションが魅力。さらにこの戦いが、二人の関係性の最初の一歩になっています。
次に、百人以上の刺客との大乱戦。
フェイフォンとフク・マンケイのタッグでの戦いは、側にある机、椅子、竹の棒を武器にして、一階・二階・欄干と、縦横無尽に移動しての連続アクション! 長椅子トンファーをぶんぶん振り回すアクションが素敵。
最後は鉄工所のラストアクション。
フェイフォンとジョン(ラスボス)との酔拳VS蹴り技の応酬はまさに生きた芸術。また火達磨になりながらのジャッキーのアクションにはもう絶句するしかありません。しかもこれ、本気で火ィつけてアクションしている……!
エンドクレジットのNG集で本気で燃えるジャッキーを見て普通に泣きそうになりました。
前作以上に魅力的だった『酔拳2』。
ジャッキー達のアクション以外にも、継母リン演じるアニタ・ムイのユーモラスかつフェイフォンと夫に対してあまりに強すぎる演技は白眉。
メレみたいに一途に愛のために戦っているわけではないのですが、それでも日常を強かと言うか、楽しんでいるような強い女なのでしたwwwww。
しかしてこの作品、封印されたラストがあるらしく。
調べてみると、フェイフォンがアルコールの摂りすぎで狂人になってしまう、と言うトンデモナイEDらしいです。
作品内で、フェイフォンは「飲酒禁止」を父から言い渡されています。
それは酔拳の「酔うほどに痛みがなくなり、戦いが止まらなくなる」と言う欠点のためなのです。
しかしラストの鉄工所での戦いでは、作業に使う工業用アルコールを飲んで戦ってしまったせいで、トンデモEDになるのだそうです。
アクション映画は怖いなぁ。
『デカレンジャー』と違って「飲んだら乗るな!」と一つの大きな交通ルールを盾に言い訳ができない『ゲキレン』では、酔拳ネタをやるのは難しいか……。
いや、マタタビなら、何とかっ!?