第21話「黒いオートマトン」

 新学期になり、学校は新しい駅ビルの最上階に移転し、第一小と合併する事になった。ハラケンが目覚めない事に気がかりなヤサコ。一方、何故か第一小の生徒達から執拗な嫌がらせを受け始めたイサコだったが……。




 ここ最近、ず〜っと「濃い」話が続いていて、正直見ていてしんどいです……。魔的な芸術とはこの事か、と解読不能な事を言ってみます。
 以下感想。




 今回はもうイサコ受難の日、これに尽きる。
 ハラケンのために最後のキラバグを使い、兄のために気を張っているただの少女なのに新しい学校で嫌がらせを受け、メガマス社に、猫目に裏切られ、兄はすでに死亡していて、病室の兄は投影されたただの立体映像だった事。
 追い詰められていた所に無用な真実まで知ってしまい、黒いオートマトンに追い詰められるイサコが可哀想で可哀想でたまらない。
 今までずっと命令してこき使っているようなモジョが黒いオートマトンにやられた時、モジョを抱いて逃げた事が、実はイサコは電脳ペットを大切にする子だったんだ、と言う事が分かって……。
 そも、兄のためにミチコさんを探そうとするだけあって、情に厚い子だと言う事は分かりきっていたんだよなあ……。




 それにしても赦せぬのは猫目、そしてメガマス社よ!
 イサコの兄の死を偽り、偽の記憶を植え付け、古い空間の調査に利用した挙句すべての罪を被せてポイ捨てとは……!
 イサコの代わりは、猫目が懐柔して服従させた第一小の男子が務める、と言う事になっているのでしょう……シット(ぇ)!
 黒いオートマトンは、メガマス社製らしく神社も何のその、サッチーのような縦割り行政の影響を受けないどこぞのコーラサワーのようなスペシャルなオートマトンになっています。違うのはその強さぐらいでしょうか。模擬戦どころか実戦でも二千回ぐらい勝てそうです。
 ヤサコの祖父がメガマス社と関係があり、そもそも大黒市自体がメガマス社の影響を強く受けている町である事からも、ラスボスはメガマス社になりそうです。




 告白したものの、未だハラケン昏睡中のため返事が保留になっているヤサコ。
 しかし彼女にも、イサコのような鍵穴が体に出来そうな気配で、さらにデンスケそのものにも異常が。イマーゴの影響で鍵穴が出来る、と言う事で、デンスケは祖父が作り出した何らかの対抗措置が用意されていて、それがメモリアル? と愚考してみる。
 何にせよ、苦しそうなデンスケは辛いなぁ……。なるたけ早期復活を希望。




 ところで、フミエの態度があまりにアレでちょっとムカっときたんですが、考えてみればあれ、当たり前の話ですよね。
 例えば、いつも使っている携帯電話のせいで人間が昏睡したり、「あっち」からやって来たイリーガルに遭遇し、その説明がつかない不可思議な状況を経験したとなれば、ああいう態度も当然でしょう。
 しかしダイチが玉子に何らかの知恵をつけられた状態なので、きっとフミエも参戦してくれる事でしょう。




 それにしても、ユビキタス社会下の学校の配布物の電子化のような近未来映像と、掃除の時の馬鹿男子、嫌がらせのリアルな空気を同じ小学校でまとめたセンスは脱帽。