『マッハ!!!!!!!!』

獣拳戦隊ゲキレンジャー』からアクション映画に触れてみよう企画、第三弾。
 今回は『マッハ!!!!!!!!』。「!」多いな!
 この作品はタイ発祥の格闘技ムエタイをアクションのメインに据えています。『ゲキレン』的には、ゲキバイオレット=深見ゴウの使用する格闘技のモチーフとなったものです。



 タイの片田舎のノンプラドゥ村では、人々を災いから守ってきた仏像、オンバク像の感謝祭が執り行われようとしていた。
 そんなある晩、オンバク像の首が切り取られて盗まれた。犯人は同じ村の出身で、今はバンコクで密輸団の手先となっているドンと言う男だった。
 オンバク像を取り戻すため、ムエタイの使い手である青年、ティンがバンコクへ旅立つ。


 基本ストーリーはこんな感じで。
 作品のコンセプトが

一、CGを使いません
二、ワイヤーを使いません
三、スタントマンを使いません
四、早回しを使いません
五、最強の格闘技 ムエタイ を使います

と言う作品だけあって、そのアクションのクオリティは相当高い(ムエタイが最強の格闘技かどうかは分かりませんが)!
 特にバンコクの雑踏をティンがひたすら走るシーンは圧倒。
 走る、飛ぶ、くぐる、回るとまるで現実味の乏しさすら感じさせる身体能力に目を見張るばかり。
 また、肘、膝と言う人体で一番固い部分を使用して相手の頭を攻撃するムエタイの恐るべきアクションにも舌を巻きます。
 大胆に間合いを足で潰したり、残心の構えとして倒れている相手に拳を突き出すなど、実戦アクションの凄みを感じました。




 ストイックに村の仏像を取り返すためにバンコクを駆け回るティンの相棒がジョージことハムレイ。
 出家するのがイヤでバンコクにやってきたものの、すっかり身を持ち崩して誰彼かまわず金の無心をするというすっかり駄目な男に成り下がっています。
 ティンのために村人が少しずつ出し合って持たせたわずかばかりのお金を盗み、仏像に対しても「あんなもんただの石じゃねぇか」と憎まれ口。
 しかしそんな彼も、ティンの熱意。そしてハムレイの事を思う父親から手紙を通して積極的に仏像奪還に手を貸し、車でのアクションなどをこなしたりと活躍をこなします。
 しかも最後には、仏像を庇って……。
 駄目男の花道を行くハムレイに拍手を送りたい。




 解説によると、主演のトニー・ジャーもピンゲーオ監督も二人ともジャッキー・チェンなどを崇拝しているアクション好きだそうです。生身の肉体が持つアクションの素晴らしさを感じられる一作でした。