『DARKER THAN BLACK -黒の契約者-』第十二話「壁の中、なくしたものを取り戻すとき…(後編)」

 実験以降、妹の幻を見るようになった黒。彼は苛立つように、何くれと黒に接触してくるミーナに言葉をぶつける。
 流星の欠片のありかが判明し、ニックを含む調査隊がゲート内部に向かうが……。



 流星の欠片を持ち出そうとしたCIAのエージェントはニックでした。
 契約者は夢を見るのか? と言う疑問。感情も希薄化し、自己生存を最優先する契約者は、夢なんて見るはずが無い。
 だからこそ、互いに互いを信じた黒とニック。
 本物の星空を見るという夢。妹。天体観測。宇宙。そして電気の流れを操る能力。
 まるで鏡のようにそっくりな二人の対決は、どういうわけか互いの能力が効かず、そればかりか流星の欠片のせいで謎の幕引きを見せます。



 ニックが持っていた流星の欠片は、どうやら以前にも組織(?)から黒や白に渡され、契約者の能力を自分の制御をも超えた力を発揮させるための増幅(暴走?)装置のように使用していたものらしい。
 しかし、その本来の用途(と言うよりは、機能?)は、互いの認識を互いで共有する、と言う観測者によってそれぞれ異なった観測結果を引き出す地獄門とは対照的なものでした。



 ニックが調査隊を殺害した時には文字が反転していたのもミーナ達は「文字が反転している」と言う観測結果を共有していたし、黒との対決の時も、「ニックの夢を黒が信じている認識をニック自身が共有した」故に本物の星空に向けて飛び立つ事ができたのでしょう。
 ニックが幼くなったのも、もしかしたら彼の妹はとうの昔に死亡していて、死亡した年齢があのくらいだったと言う仮定も成り立ちます。
 ニックが契約者だった事からも、契約者が夢=感情を取り戻す時=死ぬ時、と言う事が出来るのかも知れません。



 まぁともかく、結論から言うとゲートは人知を超えた世界であり、そこで失くした物が手に入るなんて、迷信か、さもなくばそれぞれの観測者自身しか分からない事なのでしょう。



 その観測者同士が共有できない事が、ニックはもとより、ミーナの大きなストレスになっていたようです。
 パンドラの組織そのものがチーム同士での連携など皆無で、成果は他に知られる事なく上層部に吸い上げられていくだけ。
 そんな孤独の中にあったミーナだからこそ、その孤独を支える(例え地獄門がどうであっても変わらない事実)「契約者は無感情」と言う大前提が崩れてしまったために、普通の人間と同じように一人で抱え込んで傷ついている黒に危険を承知でアプローチしたり、情報収集に彼女を走らせる事になってしまいました。



黒が手を出していないのに女性が惚れるなんて……!」と前回は疑問でしたが、今回で納得。



 黒は、母性本能をくすぐる能力まで手に入れてしまったのか……!



 黒が死んだ事を知らない知らず涙するミーナ。今後彼女は、その代償に地獄門研究に打ち込む事になるのでしょうが……。
 珍しく死亡もせずどこかに行方不明にもならなかったゲストヒロインであるミーナの再登場は……?
 しかし、あの博士も組織の人間だったとは……。予想できそうで予想できない作品だなぁ。黒の過去も、結局少ししか明かされずじまい。
 それにしても少年時代の黒の美少年っぷりと白の美少女っぷりは異常。むしろあんなヒロインしてるヒロインが凄く新鮮(笑)。
 この作品のヒロインは、みんな一癖も二癖もありすぎwww


 
 今回は、銀が戦闘に直接関与。観測霊を使って黒をガード。契約者と違って感情が消失しているというドールですが、黒同様、銀も感情が僅かながらも残っている特殊なドールなのでしょうか。
 それとも、ME技術で他人の記憶が入っている……?



 OPからすでに登場しているアンバーが東京タワー上に不敵な笑みと共に登場。どうやらここで、『ダーカー』も折り返しみたいです。



 次回は良沢探偵事務所の二人も再登場して、銀エピソード!