Voice 6「ZI」

 常ならぬ両親の喧嘩。家族がバラバラになる恐怖を感じるニコは、真境名に殺し屋ZIを探し出す仕事をさせられる事になり……。



 作品テーマでもある「子どもと大人」。
 今回ニコとロボで提示された家族象は、「一緒にいる家族」と「バラバラの家族」。
 殺し屋に狙われるZI一家がストーリーの進行と同時に「一緒にいる家族」→「バラバラの家族」=「子ども」→「大人」への変化を子どもを使って描いたのは相変わらずこの作品の巧妙なところだと思いました。ガンバルガーはその象徴ですね。
 


 ちなみに作品としての『ガンバルガー』でも主人公達は「ヒーローとしての正体がバレたら犬になる」と言うペナルティがあり、「正体がばれたらもう一緒には暮せない」と言うZI一家と同じ状況であり、その意味でロボットセレクトにも抜かりは無し、といったところ。



「子ども」として、ニコは「自分の事を見て欲しい」。だから何もいらない。
「大人」としてロボやロボ母は「放っておいて欲しい」。だからロボットやカン様オタクやっていたりする。
 バラバラなろうとするのを必死で繋ぎとめたり、そうならざるを得なくなったり、バラバラになりたかったり、そも最初から知らなかったり。
 色々な家族の形を、色々な形で提示してくれた今回ですが、やはり最終的なまとめとしては「バラバラでも家族は作れる」でしょう。
 何も知らなかった他人同士が集まって一つの共同体が作る事ができる。
 それは素晴らしい事だけど、それだけじゃ辛い。だから「自分の世界」が欲しい。一つになりたいけどバラバラになりたい。
 そういう表と裏の使い分けの見事さに、この作品の味があるんだよね、としみじみ。



 相変わらず蛇足ですが。
 今回もよっちゃんが最高! この愛すべきあわてん坊めっ(笑)! よっちゃんにお菓子とか食事を作ってもらいてーなぁコンチキショウ(おっさんか)!