Voice 1「三日坊主」

 いままで出番の無かったカテゴリ・ドラマ、リ・ボーン(笑)!


 
 家と学校とコンビニが世界のせべてだった少女、ニコ。
 偶然見てしまった事件の現場、誰かに言いたいが周りに言えず、体よくテレクラで呼び出したロボットオタクのロボ出会ったロボと共に現場に見に行くが、それが原因で謎の男、三日坊主と関わる事になり……。



 面白かったー! 原作購入、けってーい!
 


 魅力あるキャラクターと世界の関係性と、お約束をしっかり踏んでくるストーリーの妙味が素晴らしい。



 何故人は下らないものをコレクションしてしまうのか? 
 牛乳の蓋を集める父親。服のタグを集める姉。自分のゴミやコースターを集める三日坊主。
 その答えはずばり、「もっと生きていたいから」。
 三日坊主が人殺しを忘れない事で「もっと自由」になれたように、何かに執着する事で明日、明後日、十年後の未来まで自由になれる。
 それは同時に、過去の足跡を浮かび上がらせる。
 ロボが「ロボのプラモで年代や住んでいた地域も分かる〜。」なんて言ってたのははた目にはギャグですが、実はストーリーを構成する重要なファクターだったんですね。



 そしてニコとロボが関わった事で人生が変わった三日坊主ら名前と顔があるキャラクターと、レシート、マンションなどで浮かび上がる名前の無いキャラクター達との関係性。
 どれだけ何かを忘れてしまってもも、自由であっても、個人は世界に関わってる。関わらざるを得ないと言う事を、三日坊主の爆死とメモで痛いほど表していた。
 世界の中での人の存在は、限りなく希薄なものであるのかも知れない。されど、三日坊主がTV画面のモブの中で生き残っているのは、せめてもの救いか。



 やるとは思っていたけどマジでやった! 
 衝撃の爆死など、実はハードなストーリーを、ロボの馬鹿っぽさが上手に緩和してくれてました。
 ここら辺は、役者の松山ケンイチの巧さだなぁ。
 前番組の『さんま御殿』で「今は彼女よりガオガイガーですね」発言からも分かるように完全に役を掴みきっている(笑)!
 両親や友人の「面倒をかけさせるな」と言うメッセージを嫌悪しながら、その実「面倒を言って困らせたくない」と凝り固まっていたニコに「寂しい事言うな!」なんて言える、そんな彼が本当に素敵。 



 ナレーションが池田秀一ってのは狙ってます? とか、謎の漢方薬屋(?)など様々な謎を残しつつも、ニコとロボ二人の痛快冒険活劇『セクシーボイスアンドロボ』スタート!