『009-1』Mission:7「港 Port」(DVD『009-1』Vol.4収録)

 酔っ払いの祖父と子どもを亡くした可哀想な「お母さん」の世話を焼くしっかりものの少年ビリーの子ども時代の終わりなエピソード。
「亡くした子どものために船の玩具を海に流す」と言うのは、実はスパイのための情報収集の手段でしかなかった。
 ビリーのためと言いながら、祖父は結局は金に目がくらんでいた事を悔い、ビリーは大人に失望して涙する。



 大人が子どもを利用した、「子どもが哀れ」なエピソードでしたが、むしろ個人的には勝手に主観の鋳型に周囲を押し込めようとするビリーの子ども的な残酷さが印象に残ったエピソードでした。
 ビリー本人は「大人は可哀想」「僕が〜してあげなきゃいけない」と自分が世話を焼いているつもりでも、実はそれが薄氷を踏むような危うげな部分で成り立っていた、と言う危うさにようやく気がつきます。
 ビリーがミレーヌに「大人なんか大嫌いだ」と言い放ってミレーヌがショックを受けたように、大人にとっても子どもにとっても嫌な結果に終わりました。